例会などで出た素朴な疑問にお答えする帆船についての豆知識のコーナーです。
今回は、「カロネード砲の装填の仕方?」です。
前回の説明で会員から、ところで「カロネード砲の砲弾はどの様に詰め込むのか?」とい質問が寄せられました。
上甲板に設置されたよく見るカロネード砲の状態です。
4つの車輪のある砲架ではなく、車輪はなく、1個だけ車輪があり旋回する砲架が甲板に固定されています。
また、砲身の仰角は楔を差し込んで調整する代わりに昇降・スクリューにより調整します。
砲は、砲耳ではなくボルトとピンで砲身中央の真下で砲架(キャリエッジ)と固定されています。
砲架は2段になっています。上がキャリエッジ、下がスライディング・ベッドです。
分かりにくいですが、スライディング・ベッドには溝が彫られています。
この溝に沿って砲架(キャリエッジ)は前後にスライドします。カロネード砲の砲身は大変軽いので簡単にスライドします。
32ポンド・」カノン砲で砲を動かすのは大変で砲兵は14人もいりますが、32ポンド・カロネード砲は4人です。砲のスライドは2人で簡単にできました。
装填方法をみてみましょう。
まず最初の状態です。
ここから、キャリエッジを後ろへ引きます。
これが、一番後ろまで後退させた状態です。
この状態で砲弾を装填します。
1キロの装薬袋と16キロの直径16cmの砲弾を注意深くいれます。
次に両サイドのダブル滑車を使ってキャリエッジを前に押し出します。
反動でキャリエッジは後ろまで下がります。
太いブリーチング・ロープ(駐退索)があるのでしっかり最後尾で停止します。
スポンジで砲腔内を洗浄し、また装填します。
カロネード砲は索薬量がカノン砲より少ないため反動もかなり小さいです。
32ポンドでカノンで5kgに対してカロネード砲は1kgと少ないです。
少ない火薬で少しでも初速を稼ぐため砲腔と砲弾の隙間をカノン砲の半分以下にしてガス漏れを防ぐ工夫がなされています。
今回はここまでです。(^^)/
次回をお楽しみに