製作日誌 ビーグル HMS BEAGLE
帆船模型 ビーグル
HMS BEAGLE (scale 1/55)の 始めてスクラッチビルドにチャレンジ゙した製作過程の記録です。図面は CAD を使用し作成しました。
船体図の作成
ANATOMY に掲載のHMS BEAGLE 資料を参考に(scale 1/55)で船体図を作成。
側面図 平面図
キール図の作成
キールの組み立て部は5.5mm の航空合板を加工します。
キール加工図
スターンポスト加工図
キールの製作
キール加工図を裁断し5.5mm の航空合板にスプレー糊で貼付する。
糸鋸で切り抜き、ヤスリ及びサンドペーパーで整形する。
フレームの溝は、慎重に整形する。船体の歪みの原因になります。
スターンポストの加工・取付
スターンポストは、カリンの 5mm 短冊材を使用しました。
キールと同様に、加工図を裁断し、スプレー糊で短冊材に貼り付ける。糸鋸で切断ヤスリ及びサンドペーパで整形する。ジョイント部は特に念入りに整形し接着する。
スターンポストの加工完了後、0.8mm程度の補強鋼線を使用して合板キールと接着する。
フレーム加工図の作成(1,2)
フレームは 5.5mm 航空合板の使用で、図面を作成しました。
フレーム加工図(1) フレーム加工図(2)
フレーム加工図の作成(3,4)
フレームは、外板のスムースな曲線を出すため 20 枚の図面を作成しました。
フレーム加工図(3) フレーム加工図(4)
フレームの加工
フレーム図を裁断し 5.5mm の航空合板に、スプレー糊を使用し、しっかりと貼り付ける。糸鋸で切り抜き、ヤスリ及びサンドペーパーで整形する。キールの溝は、慎重に整形する。
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌
第2回は、キール及びフレームの 組み立てと、外板貼り前の準備です。
各フレームを、キールの所定位置に 木工ボンドで接着する前に仮組みします。
前回の製作日誌に記載するのをわすれましたが、スターンポストの外板ラインは約 0.5mm 程度の切り込み(ラベットライン)を、直線定規・カーブ定規をガイドに、カッターナイフで入れました。
仮組み時のチェック
側面のチェック
・甲板高・甲板曲線及びキールとの段差の有無確認・外板下部ラベットラインとフレーム下部の、外板厚みの確認
平面のチェック
・キールに歪みの有無が発生していないかの確認 ・フレームが左右均等になっているかの確認
・船体曲線が滑らかな状況かの確認・キールとフレームの接点にガタツキがないかの確認 平面仮組み写真
船体へのフィラー取付①
フィラーは、20mm 程度のファルカタ材を切断して、使用しました。
フィラー取付写真(1)
船体の曲線を滑らかにするため、甲板ラインより下のすべてのフレーム間に挿入しました。
フィラー取付写真(2)
船体へのフィラー取付②
フレームより少し外部になるよう、フィラーになるファルカタ材をフレーム間に、木工ボンドを使用し接着しました。
フィラーの取り付けは、常にキールの歪みを確認しながら、作業を進めます。私事ですが、この確認作業を怠ったため、フィラー取り付け完了後に面倒な修正作業をしなければならなくなりました。
接着したファルカタ材は、左右船体の曲線状況を確認しながら、サンドペーパー・ヤスリ等で研磨しました。
この時点で、各マストの取り付け用ポケットを作成しました。( 〇 部 )
フィラー取付写真(3)
船体へのフィラー取付③
船首部のフィラー取付
また、船首部上部甲板より上の外板作業が楽に出来るよう、取り外し可能なフィラーも取り付けを行いました。 ( 〇 部 )
同時に、バウスプリットの取り付け用ポケットも作成しました。( 〇 部 )
船体へのフィラー取付④
船尾部のフィラー取付
船尾部は、曲線状況が逆曲線になる急峻な部分のため、左右のチェックを怠りなく実施しました。
ラベット部とフィラーの取り合いもスムースになるよう確認しながら作業しました。
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌第3回は、外板貼りの 1回目です。
外板展開図
外板貼り作業を開始する前に CAD で、外板展開図を作成しました。
フレーム図と組立船体寸法を測定し、誤差チェック後、使用外板巾を調整しながら、作図しました。
外板割付メモリの貼り付け①
外板貼り付け作業前に、メインウェールを先行取付しました。メインウェールは 2.0mm×10mm のマホガニーを使用しました。この部材は、湯煎・アイロン加熱等を繰り返し、加工後貼り付けしました。
メインウェール取付後、外板展開図を 5mm 幅に切断したメモリ図をフレームに、上下を調整しながら、糊を使用して貼り付けしました。
外板メモリ貼付写真(1)
外板割付メモリの貼り付け②
中央部は、急峻な曲線がないので、フレーム1箇所飛ばしで、外板メモリ図を糊付けしました。ウェールの貼り付け状況や、測定誤差のため、少しタルミが生じました( 〇 部 )
外板メモリ貼付写真(2)
外板割付メモリの貼り付け③
船首部は、写真のとおり、急峻な曲線であります。正確な外板貼り付け作業のため、各フレームに外板メモリ図を糊付けしました。
外板メモリ貼付写真(3)
外板割付メモリの貼り付け④
外板メモリ貼付写真(4)
トランサム・スターンへの外板貼り付け
側面部外板を貼り付けする前に、ウェールより下部のトランサム、及び上部のスターンに外板を貼り付けました。外板材は、 1.0mm×5mm のマホガニーを、使用しました。写真ではスターン部を平面で貼り付けしていますが、あとで曲面に変更しました。
トランサム・スターン外板写真
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌 第4回は、外板貼りの 2回目です。
外板貼り作業は、船体下部のラベットラインよりスタートします。
船体底部外板写真(1)
吉村 製作
下部外板貼り作業①
メインウェールより下部の外板貼りは、クリンカー貼りに挑戦してみました。
外板材は、 1.0mm×5mm のマホガニーを使用することにしました。
通常の外板貼り同様に使用板巾は、貼り付けたメモリ図を参考にして、カッターナイフ・サンドペーパーで整形しました。 船体底部外板写真(2)
下部外板貼り作業②
船体側面に貼り付ける外板材は水付・湯煎・アイロン加熱等を繰り返し、加工後貼り付けしました。
貼り付けには、木工ボンドを使用し、小型アイロンで加熱後、自身で作成した、当て板付きの2種類の画鋲を使い分けしました。 船体側面外板写真
下部外板貼り作業③
船首部・船尾部は、写真のようにフィラーに外板ラインを書き込みました。( 〇部 )外板ラインを記入すると、外板貼り作業がやり易くなります。
当て板付き画鋲
上部外板貼り作業①
メインウェールより上部の外板は、通常の貼り方で行いました。
メインウェールより上には、2箇所のサブウェールがあり、ここには3mm×3mm のマホガニーを使用しました。
中央はフィラーが無いため、貼付時に強く押しすぎフレームの爪が破損したため、補強して作業を進めました。( 〇 部 ) 船体上部外板写真(1)
上部外板貼り作業②
船首部に仮フィラーを設置したので曲線がスムースに出来ました
当初スターン部を、平面で貼り付けしましたが、曲面に張り替えました。
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌 第5回は、甲板関連作業の1回目です。
甲板貼り作業の前に、「中央部甲板割付図」を作成しました。 中央部甲板割付図
中央甲板貼り付け作業①
甲板作業に入る前に、ブルワーク作業をおこないました。外板の内側に、厚さ調整材として2mm のファルカタを貼りました。その上に、1.0mm×5mm のマホガニーを貼り付け、ブルワークとしました。( 〇 部 )
甲板作業のまえに割付図を裁断し、船体との整合性を確認しました。
甲板割付図挿入写真(1)
中央甲板貼り付け作業②
船体に挿入した甲板割付図は、次の2項目を確認しました。
1)甲板割付図と船体前後のクリアランスの均等性
2)ブルワークと甲板割付図間に所定のウォーターウェイが挿入可能の有無
写真(2)の中央部がクリアランスが狭かったので、調整しました。( 〇 部 )
甲板割付図挿入写真(2)
中央甲板貼り付け作業③
甲板は、1.5mm の航空合板に、1.0mm×5mm のマホガニーを貼り付けました。
中央甲板は、12cm を基本長とし、甲板防水処理のオーカムは、水貼りテープを側面に貼り付けて対処しました。(写真参照)
甲板主材写真 水貼りテープ写真
中央甲板貼り付け作業④
航空合板にセンターラインより、水貼りテープを添わせたバットを、甲板割付図に沿って貼り付けていきます。
バットの継ぎ目位置の確認は、三角定規を使用して確認し、微調整しました。
甲板バット貼り付け写真(1)
中央甲板貼り付け作業⑤
甲板バットとブルワークが接するところは、ウォターウェイ材の挿入が出来るようバットを、甲板割付図に添って曲線加工しました。( 〇 部 )
ウォーターウェイ材は、3.0mm×3.0mm のマホガニーを、五角形に加工しました。
甲板バット貼り付け写真(2)
中央甲板貼り付け作業⑥
甲板バットの貼り付け完了後、木栓として楊枝を使用しました。治具を用いて、0.8mm の穴あけ後、楊枝を接着して、ニッパ切断しました。
甲板バット貼り付け写真(3)
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌
第6回は、甲板関連作業の2回目です。
前後部甲板割付図
前後部甲板の作業に先立ち、「前後部甲板割付図」を作成しました。
前部甲板貼り付け作業①
前部甲板作業に入る前に、上部のブルワーク作業をおこないました。
中央部と同様、外板の内側に厚さ調整材として2mm のファルカタを貼りました。
その上に、1.0mm×5mm のマホガニーを貼り付け、ブルワークとしました。
前甲板バットの防水処理オーカムは、中央部甲板と同様に水貼りテープの側面貼りとしました。
バットは、割付図に基づき製作し、1.5mm 航空合板に貼り付けました。
木栓は、楊枝を使用しました。 前部甲板バット貼り付け写真
前部甲板ガネル取付作業①
前部甲板ガネルの製作に先立ち、船体曲線にあわせ、製作図を作成しました。
ガネルは、2.5mm の紫檀を使用しました。ガネル製作図を裁断し、紫檀にスプレー糊で糊付けし、糸鋸で切り抜き、ヤスリ及びサンドペーパーで整形しました。
紫檀は、湯煎・アイロン加熱等の処置でも曲げこみが困難でしたので、切り抜き加工で対処しました。
前甲板ガネル製作図
前部甲板ガネル取付作業②
紫檀切り抜き完了後、サンドペーパーでの仕上げの研磨作業は、240 番から1,000 番まで、時間をかけました。
船体への貼り付けは、左右のバランスと、先端部の見栄えを重視し、慎重に作業しました。( 〇 部 )
ウォーターウェイ材は3.0mm×3.0mmのマホガニーを、五角形に加工したのちブルワークと甲板間に挿入しました。
前部甲板ガネル取付写真
後部甲板ガネル取付作業①
後部甲板作業に入る前に、スターン内側のブルワーク作業をおこないました。
1.0mm×5mm のマホガニーを貼り付け、ブルワークとしました。( 〇 部 )
作業中スターン上部のカバー材に、クラックが入るトラブルが発生しました。甲板作業後、修理しました。
甲板バットの防水処理オーカムは、中央部甲板と同様に水貼りテープの側面貼りとしました。 後部甲板バット貼り付け写真
バットは、割付図に基づき製作し、1.5mm 航空合板に貼り付けました。木栓は、楊枝を使用しました。
後部甲板ガネル取付作業
後部甲板ガネルの製作に先立ち、船体曲線にあわせ、製作図を作成しました。ガネルは、2.5mm の紫檀を使用し、前部ガネルと同様の方法で製作しました。
ウォーターウェイ材は、2.0mm×2.0mm のマホガニーを、五角形に加工しました。
後部甲板ガネル製作図 後部甲板ガネル取付写真
前後部甲板妻板取付作業
前後部甲板妻板の製作に先立ち、船体曲線にあわせ、製作図を作成しました。妻板は、2.5mm の紫檀を使用し、船体ブルワークの内寸法にあわせ製作しました。
前後部甲板への昇降梯子が設置されるため、梯子設置箇所は、2mm×12mm の段落ちを設置し、加工しました。
前後部甲板妻板製作図 前後部甲板妻板取付写真
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌
船体付属物作業に先立ち、「ハンモックレール割付図」を作成しました。
レール割付図
吉村 製作
ハンモックレールの製作
ハンモックレールは全長が、約 35cm になるため、3分割で製作しました。
厚さ 5mm のハガキ大の紫檀を2枚重ねの 10mm とし、ハンモックレール割付図を裁断した後、これに貼りつけ、切断・整形しました。
整形は、サンダー・ヤスリ・サンドペーパーで作業しました。
ハンモックレールの溝は、2mm 程度カッターナイフ・彫刻刀で、掘り込みました。
船体曲線にあわせて、1mm の壁を残しての溝掘りは、難儀しましたが、なんとかなりました。
ハンモックレール 製作写真
ハンモックレールの船体取付
製作完了のハンモックレールの船体への取り付けには、補強鋼線を使用しました。
3分割した各ブロックの底部に2箇所、0.8mm の鋼線を差し込み、ブルワーク内の2mm のファルカタに差し込み、接着しました。
ハンモックレールは割付の関係で、1箇所ジョイントが発生しましたが継ぎ目が露出しないよう、ハンモックレールスタンションの位置で行いました。( 〇 部 )
ハンモックレールの船体写真
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右上図のイラストが掲載されています。
現在制作中の、帆船模型にマッチするよう、右下写真で加工しました。
3分割になっています。
加工材料は、0.3mm×1.8mm の真鍮帯板です。
アンティーク風の趣きを演出するため、加工完了後に酸性の防カビ剤に数日浸しておきました。
固定用の釘穴は、0.5mm をあけました。
ハンモックレールスタンションの船体取付①
3分割で加工した、ハンモックレールスタンションは、ハンモックレールの寸法取りした位置に、瞬間接着剤で固定しました。
ハンモックレールスタンションの加工写真、①及び③の部材は、0.5mm の真鍮釘を差し込み、実船の感じをだしました。
船体外部ハンモックレールスタンション取付写真
ハンモックレールスタンションの船体取付②
3分割の加工部材、②と③は連結されていませんが、一体であるように細工する
ことが重要です。
ハンモックレールスタンション間の連結材は、 0.2mm×1.2mm の真鍮帯板を所定の寸法で裁断し、瞬間接着剤で固定しました。
船体内部ハンモックレールスタンション取付写真
ハンモックの取付①
最初ハンモックは、インド綿を裁断したものを波状に細工しました。
形状が似せた物を、溝掘りしたハンモックレールに木工ボンドで固定しました。
最初のハンモック取付写真 (見栄えがよくない)
同じインド綿を使用して、ハンモック単体を並べて固定することに変更しました。
ハンモックの取付②
ハンモックは、下記手順で加工しました。
1) 手芸用両面テープをインド綿に加熱処理して、5 ~6mm の帯状にしました。
2) 帯状品を、1.5mm 長で切断し、一個のハンモックとしました。
3) これを三つ重ねにし、瞬間接着剤で固定しました。
4) 加工完了のハンモックの、ハンモックレールへの取り付け
1) 手芸用両面テープ 2) 1.5mm 長に切断 3) 三つ重ねに固定 接着
ハンモックの取付③
加工したハンモックは、ハンモックレール内に隙間なく、木工ボンドで固定しました。
固定の際、ハンモックがレールの壁からはみ出さないよう、注意しました。
変更後のハンモック取付写真 (波状品取付より見栄えがよくなった)
※帆船模型の製作は、堅実に行うことが重要だと思い知らされました。
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌
船体付属物作業、今回は「チャンネル・ピンレール」です。最初に製作図を作成しました。
吉村 製作 チャンネル・ピンレール製作図
チャンネルは、左舷・右舷に各5ブロックに分割されています。
製作には、 3.0mm×10mm のマホガニーを使用しました。
幅を、8mm に切断後、先端を 2mm に整形しました。
整形は木工旋盤使用後、ヤスリ・サンドペーパーで行いました。
デッドアイ装着後のチャンネルカバー接着ですが、2.0mm×2.0mm のマホガニーを使用しました。
チャンネル製作写真
チャンネル・ピンレールの取付①
船体外部のチャンネルと内側のピンレールは、断面で一致した位置関係にあります。
リギングで、双方とも負荷が架かるため、φ0.5mm の補強鋼線で連結しました。( 〇 部 )
チャンネル・ピンレール補強鋼線取付位置図
チャンネル・ピンレールの取付②
チャンネル・ピンレール取付イラスト図のように船体取り付け前に、仮組みしました。
チャンネル・ピンレール仮組写真
φ0.5mm 補強鋼線で、双方の部材を連結しています。(〇 部 )
中央甲板部に取り付けたピンレールには、全長 10mm のビレーピンを、垂直を確認しながら挿入しました。
ピンレール取付写真
補強鋼線を使用して、ピンレールを固定した為、丈夫です。
チャンネル・ピンレールの取付③
船体内部に取り付けたピンレールに連結して、外部にチャンネルを取り付けました。
チャンネル取付写真
チャンネル取り付け後、デッドアイ・チェーンを組み立て、チャンネルカバーをしました。
各チャンネルの下部にはブラッケットを、2~3個接着し、補強しました。ブラケットも、φ0.5mm の補強鋼線で船体に固定しました。 ブラケット・チェーン取付写真
かなり丈夫に取り付け出来ました。
デッドアイ・チェーンの加工
前後しましたが、デッドアイ・チェーンの加工材です。
デッドアイリング φ0.5mm 真鍮線
チェーン 0.3mm×1.5mm 真鍮帯板
固定材 φ0.6mm 真鍮釘
デッドアイリングとチェーンの取り付け部は、チャンネルカバー外に露出しないよう、調整しました。
チェーンの船体側面への固定時には、マストを仮に取り付けし、シュラウドの方向を確認しながら行いました。
真鍮釘は、首下 3mm に切断し、瞬間接着剤で固定しました。 デッドアイ・チェーン加工写真
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌 第9回は、船体付属物作業の3回目です。 船体側面図(ガンポート位置図)
船体付属物作業、今回は「ガンポート」の作成です。
製作日誌第1回に掲載の「船体側面図」に合わせ、製作船体に鉛筆でマーキングしました。
吉村 製作
ガンポートの作成 ①
ガンポートの中央にサブウェールが横切る構造になっているため、製作船体へのマーキングは、写真のような治具を作成して行いました。
治具には、サブウェールを挟み込む溝を掘り込んでいます。
下記手順でガンポートの切り抜きをしました。
1)側面図をもとにガンポートセンターの位置出し
2)治具とガンポートセンターを合わせ、船体にマーキング
3)マーキングの四隅に、約2mmの穴あけ
4)自作ノコギリで、マーキングの内側を、約1mmで切り抜き (次写真参照)
5)ヤスリ・サンドペーパーでマーキングラインの整形
マーキング治具写真
ガンポートの作成 ②
ガンポート切り抜き用に使用した自作ノコギリの写真
木工用の糸鋸羽を切断し、持ち手を取り付けています。
先端は、サンダーで尖らしました。
ガンポート枠は、船体外板・ブルワーク等との色別のため、赤色系の銘木である「サティーネ」を使用することにしました。
1) 1.5mm×5mm のサティーネを所定の寸法で切断(45°で切断しました。)
2)ガンポートマーキング治具内で、ボンド接着
ガンポートの作成 ③
3)ボンド接着後、治具より抜き取り
4)船体切り抜きのガンポート穴に、差し込み・ボンド接着
ガンポートリッドの作成 ①
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右上図のイラストが掲載されています。
現在制作中の帆船模型のガンポートリッドは、下記要領で作成しました。
ガンポートリッドのイラスト図
1)ガンポートリッドの切断加工
蓋材は、 1.5mm×15mm の黒檀を船外とし、同寸法のサティーネをブルワーク側として、二枚重ね材を作成しました。
寸法にあわせテーパーをつけ、切断しました。
テーパーは、上下蓋の取り合いを確認し、ガンポート枠でチェックしました。
ガンポートリッドの作成 ②
2)ガンポートリッド金具の加工
φ1.6mm の電材真鍮パイプに、0.2mm×1.0mm の真鍮帯板を、粉末銀ロウ付けし、ガンポート枠への取付用の、φ0.6mm 真鍮釘もロウ付けしました。
ロウ付け完了後、サンダー・ヤスリで所定寸法に整形しました。
3)ガンポートリッド金具の取り付け
整形完了の金具に、φ0.5mm の孔を2箇所あけました。
同様にガンポートリッドにも開孔後、 φ0.5mm の真鍮線を瞬間接着剤を付けて差し込み、切断後、ヤスリで頭部を研磨して仕上げました。
ガンポートリッドの船体取付
ガンポートリッドの船体取り付けは、二通りとすることにしました。
ガンポートの船体取付完了
ガンポート取付船外側写真
ガンポート取付船内側写真
製作日誌 ビーグル HMS BEAGLE (10)
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌 第10回は、船体付属物作業の4回目です。
船体付属物作業、今回は「甲板上ハウス・ハッチ・階段・排水ドレーン」です。
甲板上ハウス・階段製作図
最初にアナトミーの、HMS BEAGLE の資料に基づき、製作図を作成しました。
吉村 製作
甲板上ハウスのイラスト
※製作図の寸法は、平面図・断面図・縦断図と製作縮尺を元に計算で、算出しました。
スカイライト・船食堂ルームの製作
壁面は、 1.0mm×5mm のマホガニーを基本使用して、幅調整した部材を、裁断した製作図に糊付けし加工しました。
4面完了後、窓材として、雲母原石を作業可能な薄さに剥離し、長方形に切断して、瞬間接着剤で貼り付けました。
窓格子は 0.4mm 真鍮棒を、[ の字に加工後取付しました。 スカイライト製作写真
基礎部は、 1.5mm×8mm のマホガニーを、幅調整して加工しました。
屋根は、 1.0mm×5mm のマホガニーを、曲面加工しました。
船員食堂ルーム製作写真
船室出入り口の製作
基本的にスカイライト等と同様に、製作を進行しました。
また高部は、ハッチ構造になっているため、ヒンジで取り付けしました。
船室出入り口製作写真
ヒンジは、0.2mm×1.5mm の真鍮帯板を加工し、φ0.4mm の真鍮線で固定しました。
屋根材と加工ヒンジの取り付けは、φ0.5mm の真鍮線を釘替わりにし、瞬間接着剤で固定しています。
説明が後になりましたが、スカイライト・船員食堂ルームとも、壁面と基礎部の四隅は、45度に整形し木工ボンドで接着しました。
甲板ハッチの製作①
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、イラストが掲載されています。
船体平面図より製作寸法を決定し、2種類のハッチを製作しました。
外部は、 1.5mm×8mm のマホガニーを使用し、蓋部等は、 1.0mm×5mm のマホガニーを基本に加工しました。
甲板ハッチの取付イラスト図
ヒンジは、0.2mm×1.5mm 真鍮帯板の先端部をパイプ状に丸め加工し、φ0.4mm の軸受け材に固定しています。
甲板ハッチの製作②
蓋材とヒンジの取り付けは、φ0.5mm の真鍮線を釘替わりにし、瞬間接着剤で固定しました。
中央部ハッチ製作写真
持ち手は、φ0.4mm の真鍮線をリング加工し、U字状の細線で固定しています。
(鉄道模型の、タテ型割ピン 0.4φ ~ 0.5φ 用を使用)
船首部ハッチ製作写真
階段の製作
甲板上には下記の、3種類・6箇所の階段が設置されています。
②中央甲板部のガンウェイ用階段
③中央甲板から船尾甲板への昇降用階段
階段の側面材は、 1.0mm×5mm のマホガニーを使用しました。
ステップ材は厚さを、0.6mm に旋盤加工して製作しました。 船首部階段写真
ガンウェイ階段写真 船尾部階段写真
甲板排水ドレーンの設置
中央甲板には、左舷・右舷のウォーターウェイに、船外排水用のドレーンを各舷に 5箇所づつ設置しました。
材料は、2.0mm×2.0mm の真鍮角パイプを使用しました。
φ2.0mm の開孔後、角パイプで少しづつ切削していき、挿入しました。
船外側 船内側
出典元
HMS Beagle:Survey Ship Extroadinary (Anatomy of the Ship)
著者 Karl Heinz Marquardt 出版 Conway Maritime
製作日誌 ビーグル HMS BEAGLE (11)
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌
船体付属物作業、今回は「大砲・カロネード砲」です。
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右上図の大砲イラストが掲載されています。
このイラストを基本に製作図を作成しました。 大砲 製作図
吉村 製作
大砲の製作①
砲台は、 1.5mm×8mm のマホガニーを木工旋盤で、階段状に加工しました。
クサビは、 2.0mm×2.0mm のマホガニーを加工し、大砲本体下部に挿入しました。
大砲製作の基本部材写真
大砲固定金具は、 0.2mm×1.5mm の真鍮帯板を加工し、φ0.5mm の真鍮線を差し込みました。
前輪は φ6mm のマホガニー丸棒を、後輪は φ4mm のマホガニー丸棒を、それぞれ1.5mm に切断し、研磨しました。
車輪と砲台の取り付けは、φ0.6mm の丸頭真鍮釘で固定しました。
大砲の製作②
ブリーチングは、当初#20 番の茶系の麻糸を使用しましたが、見栄えが悪いため#20 番の黒のレース糸に変更しました。
砲台組み立て時、重厚感を演出するため、墨汁にて黒染めを施しました。
ブリーチングリングボルトは、φ0.4mm の真鍮線をリング加工し、U字状の細線で固定できるよう加工しています。
(鉄道模型の、タテ型割ピン 0.4φ ~ 0.5φ 用を使用)ブルワークへの、ブリーチングロープの取り付け用 大砲製作完成写真 アイボルトは、φ0.5mm の手芸に 使用する9ピンを、切断して使用しました。
※ 大砲操作に使用する、他のロープは、甲板上が煩雑になるため省略しました。
大砲の甲板上設置
完成した大砲を甲板上に設置するのにあたり、2種類の設置方法をしました。
a) 大砲操作時 b) 大砲安置時 (ガンポートリッド開放) (ガンポートリッド閉鎖)
2種類の状況を、交互に設置しています。
一度設置したものの変更は、なかなか大変な作業でした。
カロネード砲の製作①
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右図の砲体イラストが掲載されています。
カロネードの製作部材は、甲板上大砲に使用したものを基本使用しました。
砲台は、大砲砲台の要領で組み立てしました。
ターンテーブル上に設置するため、砲台下部を円形に加工しました。
カロネード砲製作完了写真
中心には、 φ0.8mm の真鍮線を取り付け、砲台が回転するようにしています。
カロネード砲の製作②
前甲板上には、カロネード砲が回転できるターンテーブルと台座が設置されます。
製作①の左イラストのように、加工をすすめました。
台座は、厚さ 5mm のカリンを、外形φ33mm に加工し、内径φ25mm に切り抜きました。
ターンテーブルは、厚さ 4mm のカリンを、外形φ25mm に加工し、内径φ18mm に切り抜きました。
砲体操作時用のアンカーは、 φ0.5mm の真鍮線をリング加工し、φ0.5mm の手芸用9ピンとセットに組み立てて使用しました。
カロネード砲台座・ターンテーブル 製作写真
カロネード砲の設置
前甲板上に設置した台座・ターンテーブルの中央に、φ1.0mm の孔をあけました。
この孔に、製作したカロネード砲中央の、φ0.8mm の真鍮線を挿入しました。
カロネード砲は、スムースに回転します。
ブリーチングロープは大砲と同様に、当初#20 番の茶系の麻糸を使用しましたが、見栄えが悪いため#20 番の黒のレース糸に変更しました。
カロネード砲設置完了写真
出典元
HMS Beagle:Survey Ship Extroadinary (Anatomy of the Ship)
著者 Karl Heinz Marquardt 出版 Conway Maritime
何か質問があればメニューのご質問から お問い合わせください。
製作日誌 ビーグル HMS BEAGLE (12)
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌第12回は、船体付属物作業の6回目です。
船体付属物作業、今回はマスト操作の「ウィンチ・ウィンドラス」です。
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右上図のメインマストウィンチのイラストが掲載されています。
このイラストを基本に製作図を作成しました。
吉村 製作
メインマストウィンチの製作①
メインマストウィンチ製作図 ウィンチ製作の基本部材写真(1)
サイドドラムは、φ8mm のマホガニー丸棒を加工しました。
心棒はφ1.6mm 真鍮パイプを使用し、ラチェットには、φ10mm の歯車を、2mm の厚さに心棒が貫通するよう加工しました。
歯止め・ワッシャは、0.3mm の真鍮板をサンダー・ヤスリ等で整形しました。
メインマストウィンチの製作②
控え補強材は、2mm×15mm のマホガニーをヤスリ・サンドペーパー等で、整形しました。
固定柱は、 4.0mm×4.0mm のマホガニーを使用しました。 ウィンチ製作の基本部材写真(2)
ビレーピン固定クロス材は、3.0mm×10.0mm のマホガニーを加工しました。
部品の明確化のため、墨汁で黒塗装しました。
ビレーピンは、ウォールナットの 12mm を使用しました。
心棒の固定板は、 0.2mm×1.5mm の真鍮帯板を加工し、固定柱への取り付けはφ0.5mm 真鍮棒を差し込みました。
メインマストウィンチの製作③
整形した歯止めの固定柱への取り付けは、加工した真鍮ワッシャを挟み込み、φ0.6mm 真鍮釘で固定しました。
ハンドルは、1.0mm×1.0mm の真鍮角材に、φ3.0mmの真鍮パイプ及びφ0.5mm 真鍮棒を両端に、粉末銀ロウでロウ付しました。
真鍮棒には、φ1.2mm の真鍮パイプをかぶせました。
メインマストウィンチ完成写真
メインマストウィンチの船体取付
完成したメインマストウィンチの船体甲板への取り付けにあたり、位置ズレ防止のために、ウィンチ底部の4箇所に 、φ0.5mm の真鍮棒を固定し、甲板所定の位置に差し込みました。
ラチェットと歯止めのズレ止めのため、瞬間接着剤を使用しました。
メインマストウィンチ船体取付写真
フォアマストウィンドラスの製作①
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右上図のフォアマスト操作ウィンドラスのイラストが掲載されています。
このイラストを基本に製作図を作成しました。
フォアマストウィンドラス製作図
フォアマストウィンドラスの製作②
側面材は、3.5mm×20mm のマホガニーをヤスリ・サンドペーパー等で、整形しました。
ドラムは、φ10mm の、連結材は、 φ6mm のマホガニー丸棒を加工しました。 ウィンドラス製作の基本部材写真
歯止め固定柱は、 4.5mm×5.0mm のマホガニー角材を使用しました。
固定柱控え材は、2.5mm×10.0mm のマホガニーを加工しました。
心棒はφ1.6mm 真鍮パイプを使用し、ラチェットには、φ10mm の歯車を、2mm の厚さに心棒が貫通するよう加工しました。
歯止めは、0.3mm の真鍮板をサンダー・ヤスリ等で整形しました。
フォアマストウィンドラスの製作③
ハンドルは、1.0mm×1.0mm の真鍮角材に、φ3.0mm の真鍮パイプ及びφ0.5mm真鍮棒を両端に、粉末銀ロウでロウ付しました。
真鍮棒には、φ1.2mm の真鍮パイプをかぶせました。
側面材の補強板は、 0.2mm×1.2mm の真鍮帯板を加工しました。
歯止め固定柱には、ビレーピンクロスと指示柱をセットに固定しました。
ビレーピンは、ウォールナットの 10mm を使用しました。
フォアマストウィンドラス完成写真
フォアマストウィンドラスの船体取付
完成したフォアマストウィンドラス及び歯止め柱の船体甲板取り付け後、補強金具・スパイク差込口を加工していないことに気づき、加工取付をしました。
補強金具は、 0.2mm×1.2mm の真鍮帯板を加工し、φ0.5mm の真鍮線を挿入してウィンドラス本体に取り付けしました。
スパイク差込口はイラスト通り、□孔としました。
船体取付後の修正作業は、破損に注意し、大変でした。
歯止め固定柱船体取付 フォアマストウィンドラス船体取付
出典元
HMS Beagle:Survey Ship Extroadinary (Anatomy of the Ship)
著者 Karl Heinz Marquardt 出版 Conway Maritime
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌第13回は、船体付属物作業の7回目です。
船体付属物作業、今回は「船首・船尾装飾」です。
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、船首部正面・側面の装飾イラストが掲載されています。
このイラストを基本に作業を進めました。
________________________________________
ヘッドティンバーの製作①
船首イラスト及び船体製作図より寸法計算し、右図の製作図を作成しました。
5mm×20mm のマホガニーに裁断した製作図を貼り付け、下記手順で製作しました。
1)下部写真のように製作図に合わせ整形
2)先端部の円形装飾部以外サンダー・ヤスリ等で、t=2mm に薄く製材
3)湯煎・アイロン加熱等を施し、スターンポストに合わせ、曲げ加工
ヘッドティンバー上部整形写真 ヘッドティンバー下部整形写真
ヘッドティンバーの製作②
4)端部円形部・曲線部側面の装飾加工
5)船体との区分ため、墨汁にて塗装
6)船首部への安定接着のため、φ0.5mm 真鍮線の挿入
7) 船首部に、瞬間接着剤・木工ボンドで接着
ヘッドティンバー上部材完成 ヘッドティンバー下部材完成
※船体スターンポスト曲面とのチェックを慎重に実施しました。
ガモニングの取付
船首にバウスプリットを挿入した後、ガモニングを施しました。
ガモニングは、#20 番の黒色レース糸を使用しました。
瞬間接着剤を、適時使用しながら作業を進めました。
ガモニング緊張写真
※船体作成時、キールに バウスプリット孔を設置したので、確実に緊張できました。
ヘッドレールの製作①
アナトミーの、HMS BEAGLE 資料のイラストを参照しながら、ヘッドレール下部材を順次加工しました。
横材は、曲線加工が容易な白色系材として、2.0mm 角のヒノキを使用しました。
装飾は以外に容易でしたが、接着時等の汚れによる変色に注意しました。
横材の船首への取付部は、φ0.5mm 真鍮線を挿入しています。
位置決めが容易にできました。
縦材は短寸法であるため、2.5mm×2.0mm のユーカリを使用しました。
縦横の色彩区分が出来、一応満足しています。
ヘッドレールの製作②
アナトミーの、HMS BEAGLE 資料のイラストを参照にしながら、右のヘッドレール上部図を作成しました。
床材は、1.0mm×5mm のユーカリを使用しました。
下部ヘッドレールに側部材厚 t=1.0mm 分を控えて固定しました。
側部材は、 1.0mm×5mm のユーカリを連結して、裁断した加工図を貼り付け、製作しました。
ヘッドレールの製作③
船首に貼り付けたヘッドレールの床材に、バンプキン設置用の溝掘りを施しました。
溝掘りは、カッターナイフ・彫刻刀等を使用しました。
側部材にも、バンプキン用開孔を設置しています。
天端用ヘッドレールは、2mm 角のマホガニーを加工した後、墨汁で塗装しました。
バンプキンは、3mm 角のマホガニーを木工旋盤で円加工しました。
最後にバンプキンを固定し、極細チェーンで連結しました。
※ヒィギュアは、最終に取付予定
船尾部装飾①
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、船尾部の装飾イラストが掲載されています。
本船には他の帆船模型と異なり、見栄えする装飾はありません。
スターン・カウンターの外周及び、スターン中央に、溝掘りした 1mm ヒノキ角材による装飾を施しました。
装飾用ヒノキ角材は、墨汁による塗装を船尾への貼り付け前に行いました。
スターン下部の両コーナーに、円形材による装飾材を取り付けました。
船尾部装飾②
船尾側面には、ギャラリー用格子が設置されています。
この部分は、1.0mm×2.0mm のヒノキ平板を、0.5mm 程度に万力でプレスした後、溝切り装飾を施した部材を使用しました。
格子用部材は、船体接着前に墨汁塗装を行っています。
船尾部装飾写真
船尾側部装飾写真
出典元
HMS Beagle:Survey Ship Extroadinary (Anatomy of the Ship)
著者 Karl Heinz Marquardt 出版 Conway Maritime
_______________________________________________
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌
第14回は、船体付属物作業の8回目です。
船体付属物作業、今回は「帆船航行装備品」です。
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右上図の深海調査ウィンチのイラストが掲載されています。
このイラストを基本に製作図を作成しました。
深海調査ウィンチ製作図
深海調査ウィンチの製作①
本体は、 4mm×20mm のマホガニーを、木工旋盤・サンダー・ヤスリ等で、φ18.0~φ15.5 及びΦ15.5~φ13.0 に加工しました。
背面板は、 0.3mm の真鍮板を、サンダー・ヤスリで φ19mmに加工し、別途に異形加工した 2個 の部材と、粉末銀ロウでロウ付しました。
操作輪は、 1.0mm×1.0mm の真鍮角材を、φ3.0mm の真鍮パイプに、粉末銀ロウでロウ付した後、2mm 厚のマホガニーを φ12.5mm 加工し、φ10.5mm の抜き取りをした輪材に切り込みを施し、差し込みました。
スタンションは、 2.0mm×10mm のマホガニーを加工し、足元に 1.0mmの固定板を取り付けています。
深海調査ウィンチの製作②
ハンドルは、1.0mm×1.0mm の真鍮角材に、φ3.0mm の真鍮パイプ及びφ0.5mm真鍮棒を両端に、粉末銀ロウでロウ付しました。
真鍮棒には、φ1.2mm の真鍮パイプをかぶせました。
スタンションは重厚感を演出するため、墨汁にて黒染めを施しました。
離隔保持材は、φ1.2mm の真鍮パイプを、φ0.6mm の真鍮釘で固定しました。
ワッシャは、 0.3mm の真鍮板を、サンダー・ヤスリで加工しました。
深海調査ウィンチ完成写真
深海調査ウィンチの船体取付
深海調査ウィンチは、構造上不安定な状態で製作されています。
そのため船体甲板への取り付けは、転倒防止を考慮して釘止めとしました。
スタンションの底部と甲板に、φ0.6mm のドリル穴を開孔し、φ0.6mm 丸頭真鍮釘で固定しました。
深海調査ウィンチ船体取付写真
ラダーの製作①
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右図のラダーのイラストが、掲載されています。
このイラストを基本に製作図を作成しました。
ラダーの製作にあたり、寄木での加工とするため、3部材の使用としました。
尚、寄木のラインをカギ状にするのは加工が複雑になるため、直線としました。
ラダー製作図
ラダーの製作②
ラダーは、5mm×50mm×200mm のカリン短冊を使用しました。
製作図にそって、3枚のカリン切断材を接着し、整形しました。
ソールは、カリンを 2.5mm に整形して接着しました。
ラダーの船体側断面は、120°の山型に整形しています。
金具のピントルは、0.2mm×1.8mm の真鍮帯板に、
φ0.8mm の真鍮線を、粉末銀ロウでロウ付しました。
流出防止チェーン取付用のアイボルトは、φ0.5mmの手芸用9ピンを差し込みました。 ( 〇 部 )
ラダーの船体取付①
船体スターンポストの断面も、ラダーと同様に、120°の山型に整形しました。
金具のガジョンは、0.2mm×1.8mm の真鍮帯板に、φ1.2mm の真鍮パイプを、粉末銀ロウでロウ付しました。
ピントル・ガジョンの固定は、φ0.8mm の真鍮釘の丸頭部を研削して使用しました。
船体側金具ガジョン取付写真 ラダー船体取付写真
ラダーの船体取付②
船体付属部品がほぼ取り付け完了した時点で、流出防止チェーンおよびロープをラダーに取り付け、船体に装着しました。
チェーンは、1リング約2.5mm のアンティーク風のものを使用しました。
連結ロープは、#20 番の茶系レース糸を使用しています。
固定用アイボルトは、φ0.5mm 手芸用9ピンを使用し、後部甲板に挿入しました。
舵輪の製作・船体取付
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料に掲載の舵輪図は、彫刻等が施された複雑な構造であるため簡素化して、下左図の製作図を作成しました。
操作輪は、2.0mm厚のマホガニーを φ20.0mm 加工し、φ16.0mm の抜き取りをした輪材に、φ1.0mm のマホガニー棒を挿入しました。
中心材は、φ6mm の丸棒を加工しました。
スタンションは、1.5mm×8mm のマホガニーを加工し組み立てています。
船体への取り付け場所は後部甲板の下にあるため、木工ボンドで固定しました。
舵輪製作図 舵輪船体取付写真
_____________________________________
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌第15回は、船体付属物作業の9回目です。
船体付属物作業、今回は「アンカー関連」です。
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右図のアンカー配置イラストが、掲載されています。
これを基に作業を行いました。
オールドスタイルアンカーの製作①
アナトミーの、HMS BEAGLE 資料には、右上図のオールドスタイルアンカーイラストが、掲載されています。
このイラストを基に、製作図を作成しました。
アンカー胴体のシャンクは、 5mm ハガキ大の黒檀に、裁断した製作図を貼り付け、ノコギリ切断後、サンダー・ヤスリ・サンドペーパー等で整形しました。
最後は、3mm に仕上げました。
アームの先端部は、1mm の黒檀に製作図を貼り付け、切断しました。
整形完了後、アームにボンド接着しました。
オールドスタイルアンカーの製作②
横木のストックは、2.5mm の紫檀を使用しました。
シャンクと同様に、裁断した製作図を貼り付け、ノコギリ切断後、整形しました。
ストックは2枚重ねとし、先端は接続し、中央部は 1mm のクリアランスをとりました。
フープは、0.2mm×1.2mm の真鍮帯板をバンド状にし、φ0.5mm の真鍮線で固定しました。
8箇所の緊結材も同様に、φ0.5mm の真鍮線を差し込みました。
アンカーリングは、 φ0.8mm の真鍮線を円形加工しました。
摩耗防止用の被覆として、30番の茶系糸と黒糸を巻き付けました。
ニュースタイルアンカーの製作①
アナトミーの、HMS BEAGLE 資料には、右図のニュースタイルアンカーイラストが、掲載されています。
このイラストを基に、製作図を作成しました。
(右下図参照)
アンカー胴体のシャンクは、 5mm ハガキ大の黒檀に、裁断した製作図を貼り付け、ノコギリ 切断後、サンダー・ヤスリ・サンドペーパー等で整形しました。
最後は、3mm に仕上げました。
アームの先端部は、1mm の湾曲させた黒檀に製作図を貼り付け、切断しました。
整形完了後、アームにボンド接着しました。
ニュースタイルアンカーの製作②
横木のストックは、2.5mm の紫檀を使用しました。
シャンクと同様に、裁断した製作図を貼り付け、ノコギリ切断後、整形しました。
ストックは2枚重ねとし、先端は接続し、中央部は 1mm のクリアランスをとりました。
フープは、0.2mm×1.2mm の真鍮帯板をバンド状にし、φ0.5mm の真鍮線で固定しました。
8所の緊結材も同様に、φ0.5mm の真鍮線を差し込みました。
シャックルは、 φ0.8mm の真鍮線をΩ状に加工しました。
アンカー本体との取り付けは、 φ0.8mm の手芸用Tピンを加工しました。
キャットヘッドの製作
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右上図のキャットヘッドのイラストが、掲載されています。
このイラストを基本に左下の製作図を作成しました。
キャットヘッドは、5mm 黒檀短冊に裁断した製作図を貼り付けし、切断・整形しました。
滑車用の孔は、φ0.8mm を4箇所開け、側部に車軸として、φ0.8mm 丸棒を挿入しました。
端部バンドは、 0.2mm×1.0mm の真鍮帯板、固定金具は、 0.2mm×1.5mm の真鍮帯板を加工しφ0.5mm 真鍮線で固定しました。
アンカーベッド・アンカーライニングの設置
アンカーベッド・アンカーライニングは、先頭のアンカー配置イラストを参考にして製作をすすめました。
アンカーベッドは、2.5mm×7mm のユーカリを使用し、先端部は、1.2mm にテーパー加工しました。
船体との取り付け部には、φ0.5mm の真鍮線を使用し補強しています。
アンカーライニングは、 1.0mm×3.0mm のユーカリを使用しました。
外板と取り合い識別の為、両端に 1.0mm×1.0mm の桧材を墨汁塗装し、貼り付けました。
ユーカリは、色調が明るく、局部的使用に良い材料と思います。
アンカー固定部・アンカーホールの設置
先頭のアンカー配置イラストを参考に、2箇所のオールドアンカー用孔(↑部)、6箇所のニューアンカー用孔(↑部)を設置しました。
アンカー孔は、φ3.0mm 真鍮パイプに、φ2.5mm のドリルで内径を広げました。
アンカーホールは、右舷・左舷に各2箇所設置しました。
ホールカバーは、1mm のユーカリを整形し、φ2.5mm の開孔を設置しました。
アンカーの船体取付
アンカーの船体への取り付けは、1リング約2.5mm のチェーンを使用しました。
チェーン先端ロープ及び固定用ロープは、#20 番の黒レース糸を使用しました。 アンカー船体取付全体写真↑
オールドアンカー船体取付写真 ニューアンカー船体取付写真
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌
第16回は、船体付属物作業の10回目です。
船体付属物作業、今回は「その他装備品」です。
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右上図の
2種類のコンパスイラストが掲載されています。
左図は、後部甲板上に設置されます。
右図は、後部甲板下に設置されます。
このイラストを基本に2種類のコンパスを製作しました。
コンパスの製作
甲板上コンパスのテーブル部は、φ10mm のマホガニーを半球に整形し、0.2mm×1.0mm の真鍮帯板を鉢巻状に巻き付けました。
上部には、φ0.5mm の真鍮線を差し込み、#90番の黒糸を結びました。
スタンド部は、φ6mm のマホガニー丸棒を、木工旋盤で整形しました。
台座は、2.0mm×10mm のマホガニーを加工し、黒塗装をしました。
甲板上コンパス写真
甲板下コンパスのテーブル部は、φ10mm のマホガニーを半球に整形し、0.3mm の真鍮板を加工して固定しました。
上部には、φ0.5mm の真鍮釘を差し込みました。
甲板下コンパス写真
スタンド部は、φ6mm のマホガニー丸棒を、木工旋盤で整形しました。
台座は、上記コンパスと同等に加工しました。
コンパスの船体取付
テーブルには方位磁石の模写を、OHPフィルムにプリントした物を接着し、各部材の接続には、φ0.5mm の真鍮線を差し込んでいます。
コンパス船体取付写真
各コンパスの甲板への取り付けは、台座のコーナー4箇所にドリルで、φ0.6mm の開孔をしました。
そこに、φ0.6mm の真鍮釘を差し込み、木工ボンドとの併用で固定しました。
真鍮釘は、丸頭を使用しています。
手摺の設置
①中央甲板よりの昇降階段部手摺(2箇所)
②右舷・左舷の防護用手摺(2箇所)
③後部甲板よりの転落防止用手摺(1箇所)
①・②のスタンションは、φ1.2mm 真鍮パイプに、φ0.6mm手芸用9ピンを挿入しました。
手摺材は、極細チェーンを、φ0.5mm Cカンで固定しました。
③のスタンションは、 φ1.2mm 真鍮パイプに、φ0.6mm 丸頭真鍮釘を挿入しました。
手摺材は、2.8mm×1.5mm ユーカリを使用しました。
②
ガンウェイステップの製作
このイラストを基本に製作図を作成しました。
ガンウェイステップの製作は、t=0.6mm のユーカリを、製作図の寸法に加工しました。
3種類の部材を接着後、φ0.5mmの真鍮線を挿入しました。
船体への取り付けは、測定位置に開孔後、設置しました。
製作完了(右写真)
船体取付(左写真)
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右図の排水用ポンプステップのイラストが、掲載されています。
製作図をもとに、下部写真のポンプ部材を製作しました。
排水用ポンプの製作②
①サクションパイプは、φ5.0mm のマホガニーを整形しました。
②バンドは、 1.2mm×0.2mm の真鍮帯板を加工しました。
③ブレイキスタンションは、φ2.0mm の真鍮パイプを整形し、上部にブレイキ受台として、2.0mm×0.3mm の真鍮帯板を加工し、粉末銀ロウでロウ付しました。( ② ③もロウ付)
ピストンバー取付部は、1.5mm×0.2mm の真鍮帯板を加工し、φ0.5mm 手芸用9ピンを挿入しました。
⑤ピストンバーは、φ0.8mm 手芸用9ピン加工しました。
⑥排水口は、 φ2.0mm の真鍮パイプを整形しました。
製作完了(上部写真)
船体取付(下部写真)
ケーベルの製作
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右舷・左舷に各3箇所のケーベル設置が明示されています。
平面図寸法及び縮尺より寸法を算出し、CADにて製作図を作成しました。
製作は下記手順で実施しました。
①作成した製作図を裁断し、3.0mm×1.2mm ユーカリに貼り付け
③船体取付材を切断後、φ1.5mm 程度の開孔
④部材を組み立て、接着・整形
⑤船体取付用に、φ0.5mm 真鍮線の挿入
フィギュアの製作
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料よりフィギュア部をコピーし、t=8mmのツゲ材に貼り付け、彫刻しました。(右写真→)彫刻の身長は約 2cm と小さく、下部をバイスに挟み作業しました。
彫刻後、ホビーペイントで瞳を明示し、ワトコオイルで艶出ししました。
船体スターンポストを研削し、φ0.5mm 真鍮線挿入で、接着しました。
初めての彫刻でしたが、ドッグらしくなったと思います。
彫刻完了写真 船体取付写真
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌
第17回は、艦載ボート製作の1回目です。
艦載ボート製作、今回は「26ft YAWL」及び「23ft CUTTER」です。
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右図の「26ft YAWL」艇体図及び下図のイラストが掲載されています。
これを基本に製作図を作成しました。
26ft YAWLの製作図
側面図・平面図 艇体セクション図
艇体平面図は切り抜きしたのち、ファルカタ材に貼り付け元型を作成します。
断面図は、厚紙に貼り付け、ファルカタ材整形のチェックシートに使用します。
26ft YAWLの元型作成
ファルカタ材の側面・上面に切り抜きした、側面図・平面図を貼り付け、ノコギリ等で荒ら切りしたのち、切断・研磨道具で少しずつ整形しました。
型抜きした断面図は、中央線で切断し整形が進んだ元型の各測点でのチェックとして使用しました。
元型整形前写真↓ 断面図切抜写真→
26ft YAWLの外板貼り準備作業①
完成したファルカタの元型に、スターンポスト用の溝加工をしました。( □ 部 )
26ft YAWL 元型写真 元型下部写真(スターンポスト溝加工)
スターンポスト加工図に基づき、銘木で作成したスターンポストには、ラベットラインとして0.5mm 程度の切り込みを入れました。
加工が完了したスターンポストを、元型の溝に挿入し、スターンポストの艇首と艇尾の頭部で、1mm×3mm の繋ぎ材でボンド固定しました。( ○ 部 )
26ft YAWLの外板貼り準備作業②
外板作業前元型底部写真
スターンポストを挿入した元型に、ボートの内側に取り付けるフレーム材を、2箇所に取り付けしました。
(外板中央部膨らみ防止に効果あり)フレーム材取り付け時には、割付を確認して元型に溝加工し、上下のみボンド固定しました。( ○ 部 )
中央部は元型脱型のため、加工した溝に、はめ込んであるだけです。
艇尾のスターンも、スターンポストに固定してあるだけです。( ○ 部 )
26ft YAWLの外板作業
下部外板は、艇体を白地にするため、0.7mm×4mm の桧材を使用しました。
上部外板は艇体内部との取り合いのため、マホガニーを使用しました。
外板の接着は、スターンポスト・中央部2箇所のフレーム・艇尾スターン・外板間のみとして、ファルカタの元型にはボンドの、はみ出しによる接着も極力少なくし、作業を進めました。
外板貼付作業完了後、スターンポスト・フレームの各上部繋ぎ材をカッターナイフで切り離し、元型を脱型しました。
脱型後、艇体内外を整形・研磨しました。
26ft YAWLの艇体作業①
艇体内下部作業完了写真
フレームは、外板作業時に設置した2箇所を利用し、7.5mm 間隔で1.2mm に加工したマホガニーを設置しました。
フロアーは前後部共、1mm に加工したマホガニーを使用しました。
後部フロアーは右写真の加工図に各部材を貼り付け、製作した後艇体底部に固定しました。
中央部スターンポストにはマスト固定用の部材を、2箇所設置しました。 ( ○ 部 )
ベンチ・デッキ等の固定材及び操舵席も、1mm 厚のマホガニー加工材を基本使用して製作しました。
26ft YAWLの艇体作業②
艇体内作業完了写真
ベンチ・デッキ・メインマストシートは 5mm 、オールシートは 3mm を加工しました。
メインマスト受け金具は、 0.2mm×1.2mm 真鍮帯板を Ω 状に加工して、φ0.5mm の真鍮線で固定しました。 ( ○ 部 )
ガンウォールは 3mm 材を加工し、オール受けには φ0.6mm真鍮線を使用しました。
艇体各所に、マスト・セール用のビレーピン・アイボルト・クリートも設置しています。
艇尾には、 0.2mm×1.2mm 真鍮帯板加工のガジョンを取り付けました。 ガジョン取付写真
26ft YAWL 上2箇所に、23ft CUTTER 搭載用の固定材を設置しました。 ( ○ 部 )
右イラストを基本に製作図を作成しました。
「26ft YAWL」を、小型にした構造で、同じ手順で製作しました。
艇体セクション図
23ft CUTTERの艇体作業①
艇体内下部作業完了写真
フレームは、外板作業時に設置した2箇所を利用し、7.5mm 間隔で1.2mm に加工したマホガニーを設置しました。
フロアーは前後部共、1mm に加工したマホガニーを使用しました。
後部フロアーは右写真の加工図に各部材を貼り付け、製作した後艇体底部に固定しました。
中央部スターンポストにはマスト固定用の部材を、2箇所設置しました。 ( ○ 部 )
ベンチ・デッキ等の固定材及び操舵席も、1mm 厚のマホガニー加工材を基本使用して製作しました。
23ft CUTTERの艇体作業②
艇体内作業完了写真
ベンチ・デッキ・メインマストシートは 5mm 、オールシートは 3mm を加工しました。
メインマスト受け金具は、 0.2mm×1.2mm 真鍮帯板を Ω 状に加工して、φ0.5mm の真鍮線で固定しました。 ( ○ 部 )
オール受桁は 1mm 材を加工し、受け部は 3mm 開孔を設置としました。
艇体各所に、マスト・セール用のビレーピン・アイボルト・クリートも設置しています。
艇尾には、 0.2mm×1.2mm 真鍮帯板加工のガジョンを取り付けました。
スターンポスト下部2箇所に、26ft YAWL に上載用の開孔を設置しました。 ( ○ 部 )オールは6本製作し、3本束を2足とします。
______________________________________
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌第18回は、艦載ボート製作の2回目です。
艦載ボート製作、今回は「25ft GIG」・「JOLLY BOAT」・ 「WHALEBOAT」です。
25ft GIGの製作図
平面図 船体セクション図
艇体図・断面図は、前回の艦載ボート製作の1回目と同様、元型製作の資料として使用しました。
25ft GIGの外板作業
25ft GIG は本船サイドに懸垂するため、色調上 0.7mm×4.5mm のマホガニーを使用しました。
資料の指示でクリンカー貼りとしました。
外板の接着は、スターンポスト・中央部2箇所のフレーム・艇尾スターン・外板間のみとして、ファルカタの元型にはボンドの、はみ出しによる接着も極力少なくし、作業を進捗しました。
外板貼付作業完了後、スターンポスト・フレームの各上部繋ぎ材をカッターナイフで切り離し、元型を脱型しました。
脱型後、艇体内外を整形・研磨しました。
25ft GIGの艇体作業①
艇体内作業完了写真
フレームは、外板作業時に設置した2箇所を利用し、7.5mm間隔で1.2mm に加工したマホガニーを設置しました。
フロアーは前後部共、1mm に加工したマホガニーを使用しました。
後部フロアーは右写真の加工図に各部材を貼り付け、製作した後艇体底部に固定しました。
25ft GIG はマストが無いので、固定用の部材はありません。
ベンチ・デッキ等の固定材及び操舵席も、1mm 厚のマホガニー加工材を基本使用して製作しました。
25ft GIGの艇体作業②
艇体側面作業完了写真
ベンチ・デッキは 5mm、オールシートは 3mm を加工しました。
オール受桁は 1mm 材を加工し、受け部は 3mm の開孔としました。
オールはユーカリで6本製作し、3本束を2足とします。
オール加工写真
ガジョン取付写真
JOLLY BOATの製作図
「25ft GIG」と同じクリンカー貼りの指示があるため同じ製作手順で、作業しました。
「JOLLY BOAT」はマスト・セールを装備したボートのイラストが、掲載されています。
JOLLY BOATの艇体作業①
フレームは、外板作業時に設置した2箇所を利用し、7.5mm間隔で1.2mm に加工したマホガニーを設置しました。
フロアーは前後部共、1mm に加工したマホガニーを使用しました。
後部フロアーは右写真の加工図に各部材を貼り付け、製作した後、艇体底部に固定しました。
ベンチ・メインマストシートは 5mm、オールシートは 3mm を加工しました。
メインマスト受け金具は、 0.2mm×1.2mm 真鍮帯板を Ω 状に加工して、φ5mm の真鍮線で固定しました。 ( 〇 部 )
JOLLY BOATの艇体作業②
艇体側面作業完了写真
艇体各所に、マスト・セール用のビレーピン・アイボルトも設置しています。
オール受桁は 1mm 材を加工し、受け部は 3mm の開孔としました。
艇尾には、 0.2mm×1.2mm 真鍮帯板加工のガジョンを取り付けました。
オールはユーカリで4本製作し、2本束を2足としました。
オール加工写真
ガジョン取付写真
WHALEBOATの製作図
下のイラストを基本に製作図を作成しました。「25ft GIG」・と同じクリンカー貼りの指示があるため同じ製作手順で、作業しました。
「WHALEBOAT」はマスト・セールを装備したボートのイラストが、掲載されています。
25ft WHALEBOAT の艇体作業①
艇体内作業完了写真
フレームは、外板作業時に設置した2箇所を利用し、7.5mm間隔で1.2mm に加工したマホガニーを設置しました。
フロアーは前後部共、1mm に加工したマホガニーを使用しました。
後部フロアーは右写真の加工図に各部材を貼り付け、製作した後、艇体底部に固定しました。
フロア・メインマストシートは 5mm、オールシートは 3mm を加工しました。
メインマスト受け金具は、 0.2mm×1.2mm 真鍮帯板を Ω 状に加工して、φ5mm の真鍮線で固定しました。 ( 〇 部 )
25ft WHALEBOAT の艇体作業②
艇体側面作業完了写真
艇体各所に、マスト・セール用のビレーピン・アイボルトも設置しています。
ガンウォールは 3mm 材を加工し、オール受けには φ0.6mm真鍮線を使用しました。
艇尾には、 0.2mm×1.2mm 真鍮帯板加工のガジョンを取り付けました。
オールはユーカリで6本製作し、3本束を2足としました。
オール加工写真
ガジョン取付写真
28ft WHALEBOAT の製作
28ft WHALEBOAT は、 25ft WHALEBOAT と同じ手順で作成しました。
下部外板は、艇体を白地にするため、0.7mm×4mm の桧材を、上部は艇体内部との取り合いのため、マホガニーとしました。
ガンウォール・オール受け・ガジョンは、25ft と同じです。
28ft WHALEBOAT は船体後部に船底を上にして、2艇艦載するため、艇体内作業はしていません。
ガジョン取付写真
_______________________________________________
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌 第19回は、艦載ボート船体取付です。
艦載ボートの船体取付は、4種類の方法がとられています。
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右図のクォーターダビッドイラストが、掲載されています。
これを基に製作図を作成しました。
クォーターダビッドの製作①
右上図の製作図を基に製作をすすめました。
使用材料は下記のとおりです。(次頁左下写真参照)
①支柱 φ2mm 真鍮パイプ
②滑車ボックス t=0.3mm 真鍮板を、B=3mm に切断工 ③滑車輪 φ2mm 真鍮パイプ
④車軸・アンカー φ0.5mm 真鍮線を加工
⑤牽引リング φ0.5mm 真鍮線を加工
⑥ブレース 1.0mm×1.0mm 真鍮角材を曲線加工
⑦クリート t=0.5mm 真鍮板を整形加工
⑧固定アンカー φ0.7mm 真鍮線を加工
①の支柱の曲線加工は、常に製作図とチェックしながらすすめました。
②の滑車ボックスは、切断した帯状真鍮板を箱状に加工しました。
滑車ボックス内に、③の滑車輪を挿入し、④の車軸・アンカーを挿入しました。
クォーターダビッドの製作②
④の車軸・アンカーに、⑤の牽引リングを接続しています。
⑥のブレースの曲線加工は、常に製作図とチェックしながらすすめました。(両先端は、①の支柱に合わせ、尖らせています。)
⑦のクリートは、2.5mm 幅に切断した後、整形しました。
部材写真 粉銀ロウ接続完了
クォーターダビッドの船体取付①
完成したクォーターダビッドは、3箇所のアンカーを瞬間接着剤で固定しました。クォーターダビッドの連結は、極細チェーンを使用しました。
牽引リングとの接続は、φ0.5mm の手芸用Cカンを整形しています。牽引チェーンは、タルミが発生しないよう慎重に作業しました。
補強用固定材は、 3.0mm×1.2mm ユーカリを、U型に加工した φ0.5mm 真鍮線で上下2箇所固定としました。
取付完了写真(後部) 取付完了写真(側部)
クォーターダビッドの船体取付②
左舷クォーターダビッドは、25ft GIG を懸垂します。右舷クォーターダビッドは、25ft WHALEBOAT を懸垂します。
懸垂箇所は、ミゼンマストのシュラウド取り付け場所にあり、リギング作業が困難になるため、仮の懸垂で取り付け状況を確認しました。
フック・滑車は、リギング完了後に使用の予定です。
左舷 25ft GIG 懸垂写真 右舷 25ft WHALEBOAT 懸垂写真
ホーンダビッドの製作
アナトミーの、HMS BEAGLE 資料には、右上図のバックボート用のホーンダビッドイラストが、掲載されています。
ホーンダビッドは、 5mm ハガキ大の黒檀に、裁断した製作図を貼り付け、糸ノコで切断後、整形しました。
滑車用の孔は、φ0.8mm を4箇所開け、側部に車軸として、φ0.8mm 丸棒を挿入しました。
端部バンドは、 0.2mm×1.0mm の真鍮帯板を加工し、φ0.5mm 真鍮線で固定しました。
ホーンダビッドの船体取付①
ホーンダビッドの側面には、クォーターダビッドの牽引用固定リングが設置される構造になっています。
このリングは、φ0.6mm 真鍮線を加工し、整形した手芸用 φ0.5mm 真鍮9ピンで固定しました。
リギング用のクリートは、ウォールナットで加工しました。船体後部への取付用として、φ0.7mm 虫ピンを使用しました。
ホーンダビッド完成写真 船体取付写真
ホーンダビッドの船体取付②
ホーンダビッドは、 JOLLY BOAT を懸垂します。
懸垂用滑車は、3mm シングルブロックに、φ0.5mm 真鍮線を組み込み、 #40 番の黒のレース糸を使用しました。
固定用クリートはユーカリで作成し、ホーンダビッドに取り付けました。 ( 〇 部 )
JOLLY BOAT 懸垂写真
ボートスタンドの製作
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右上図のYAWL・CUTTER 用スタンドイラストが掲載されています。
このイラストを基本に左下の製作図を作成しました。底部は、t=1.5mm マホガニーを、φ12mm に加工し、φ0.6mm 丸頭真鍮釘で固定しました。(墨汁塗装)
上部は、t=3mm のユーカリを艇体にあわせ加工しました。底部と上部は、φ0.8mm 真鍮線を挿入しています。
ボートスタンド船体取付写真
ボートスタンドの船体取付
当初、ボートスタンドは2箇所が安定すると考え、左写真のように作業しましたが、見栄えを考慮して、アナトミーの資料のとおり3箇所に追加しました。
やはり、資料に即した作業が重要です。ボートスタンドには、26ft YAWL と 23ft CUTTER が重ねて固定されます。
固定フックは、φ0.5mm 手芸用9ピンを加工し、#30番の黒糸を巻きました。
チェーンは、1リング約2.5mm のものを使用し、途中に固定ハンドルを挿入しました。
当初写真↓ 取付完了写真↓
ボートビームの製作
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右図の28ft WHALEBOATS 2艇艦載用のビーム部断面図が掲載されています。
この断面図を基本に左下の製作図を作成しました。ビームは、5mm×4mm マホガニーを加工しました。
脚部は、裁断した加工図を貼り付け加工しました。加工時に下部を、t=2mm にテーパーを付けています。
ビームと脚部は、φ.5mm 真鍮線を、挿入しています。ビーム上部に、ボート固定用ブロックを寸法チェックして接着しました。
ビーム本体製作完了後に、全体を墨汁塗装しました。
ボートビームの船体取付
ビームと脚部の補強用鋼材として、0.2mm×1.5mm の真鍮帯板を、45°の曲りをつけ、φ0.5mm 真鍮線を挿入して固定しました。
ビームの脚部がピンレールに乗りかかるため、固定用として φ0.8mmの真鍮線を挿入しました。
後部甲板には、ホエルボートの固定用ブロックを寸法チェックし、設置しました。
ロープは、#20 番黒レース糸です。
取付完了写真(上部)
ボート設置写真(下部)
_______________________________________________
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌
第20回は、マスト製作の1回目です。
マスト製作、今回は「メイン・フォアマスト」
です。
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右図のメイン・フォアマスト全体図及び次頁主要部材の概要が、掲載されています。
これを基に製作図を作成しました。
※今回のブログは、写真をクリックしても拡大されません。
メイン・フォアマストの製作
メイン・フォアマスト主要部材イラスト
メインマストの製作①
メイン・フォアマスト全体図・主要部材図を参考にメインマスト加工図を作成しました。
メインマストの製作②
加工図に基づき、ローマストを製作しました。
ローマストは、φ8.0mm マホガニーを研削しました。
添木は φ6.0mm、ヤード用防摩耗材は φ4.0mm マホガニーを半割にしました。
補強バンドは、0.2×1.2mm 真鍮帯板を巻付け、φ0.5mm 真鍮線を差し込みました。
トライセールマストは、φ2.7mm 丸棒に加工し、
部材区別のため墨汁塗装をしました。
マスト下部に、スパイダーフープを設置し、
ビレーピンを挿入しています。
メインマストの製作③
トレッスルツリーの床材は、1.0mm マホガニーを研削加工しました。
手摺部には、2.0mm×2.0mm マホガニー角材を使用しました。
下部桁材には、3.0mm×4.5mm マホガニー角材を加工しました。
チークは、加工図を裁断し、2.0mm マホガニーに貼り付け、研削しました。
手摺は、φ1.2mm 真鍮パイプに、φ0.8mm 真鍮棒を挿入しています。
トップマストシュラウド用デッドアイは、φ0.4mm 真鍮線で固定しました。
デッドアイは、極細チェーンでマストにタルミが生じないよう、緊張しました。
各所にリギング用滑車を設置しています。
メインマストの製作④
加工図に基づき、トップマストを製作しました。
トップマストは、φ5.0mm マホガニーを研削しました。
トップマストクロスの枠組みは、3.0mm×3.0mm マホガニー角材を使用しました。
下部桁材には、3.0mm×4.5mm マホガニー角材を加工しました。
ツリー補強板は、φ0.5mm 真鍮線を差し込み固定しました。
メインマストキャップは、t=4.5mm 紫檀を研削しました。
メインマストの製作⑤
加工図に基づき、トップギャランを製作しました。
トップギャランは、φ4.0mm マホガニーを研削しました。
トップギャランの途中に、0.5mm 程度のリギング用段差が加工されています。
先端のトラックは、φ0.8mm 真鍮釘を使用しました。
トップマストキャップは、t=2.5mm 紫檀を研削しました。
フォアマストの製作①
メイン・フォアマスト全体図・主要部材図を参考にフォアマスト加工図を作成しました。
フォアマストの製作②
フォアマストのローマストは、 メインマストのローマストを少し小さくした構造で、同じ手順で製作しました。
フォアマストの製作③
フォアマストのトップマスト・トップギャランは、 メインマストの同部材を少し小さくした構造で、同じ手順で製作しました。
トップマスト製作写真
トップギャラン製作写真
トライセールガフの製作・取付
メインマスト・フォアマストのローマストには、トライセールマストが併設され、それにトライセールガフが設置された構造になっています。
ガフ本体は、φ3.0mm マホガニーを研削しました。
取付部のジョーは、φ3.0mm・5.0mm 真鍮パイプを加工し、粉末銀ロウでロウ付しました。
これに、0.2mm ×1.2mmの真鍮帯板を巻付けました。
マストとジョーの取付部は、外径φ1.5mm のビーズを使用しています。 ( ○ 部 )
キャップの補強バンド取り付け
メインマスト・フォアマストのキャップは、
紫檀を加工しましたが、補強バンドの
取り付けがされていないことに気づき、
0.2mm ×1.5mmの真鍮帯板を巻付け、
加工した手芸用9ピンをアイボルトとし
固定しました。( ○ 部 )
同様に紫檀加工のトップマストキャップ
には、0.2mm ×1.0mm の真鍮帯板を巻付けました。
固定は同様に手芸用9ピンを加工して
使用しています。 ( ○ 部 )
補強バンドの取り付けで、見栄えが良くなったと思います。
_______________________________________________
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌
第21回は、マスト製作の2回目です。
マスト製作、今回は「ミズンマスト」・「バウスプリット」です。
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、
右図のミズンマスト・バウスプリット全体図及び次頁主要部材の概要が、掲載されています。
これを基に製作図を作成しました。
ミズンマスト・バウスプリットの製作
ミズンマストの製作①
ミズンマスト・バウスプリット全体図・部材図を参考にミズンマスト加工図を作成しました。
ミズンマストの製作②
加工図に基づき、ローマストを製作しました。
ローマストは、φ6.0mm マホガニーを研削しました。
チークは、加工図を裁断し、2.0mm マホガニーに貼り付け、整形しました。
ローマストには、セールのスパンカー固定用のフープを挿入しています。( ○ 部 )
ローキャップは、t=5mm の紫檀を加工し、上部のスプレッダーは、3.0mm×3.0mm のマホガニーを整形しました。
ミズンマストの製作③
加工図に基づき、トップマストを製作しました。
トップマストは、φ4.0mm マホガニーを研削加工しました。
トップマストの途中に、0.5mm 程度のリギング用段差が加工されています。
先端のトラックは、φ0.8mm 真鍮釘を使用しました。
ミズンマストキャップは、t=2.5mm 紫檀を研削しました。
トップセールヤードは、φ2.5mm マホガニーを研削し、
端部はヤーダムで、リギングの滑り止めとしました。
中央部滑り止めは、t=1.2mm ユーカリを加工しました。
ミズンマストスパンカーの製作・取付
加工図に基づき、スパンカーを製作しました。
スパンカーガフ・ブーム本体はφ3.0mm
マホガニーを研削しました。
取付部のジョーは、φ3.0mm・5.0mm 真鍮パイプを加工し、粉末銀ロウでロウ付しました。
これに、0.2mm ×1.2mmの真鍮帯板を巻付けました。
ガフ先端部は、φ3.0mm・2.0mm 真鍮パイプを加工し、
粉末銀ロウでロウ付しました。
マストとジョーの取付部は、外径φ1.5mm のビーズを
使用しています。 ( ○ 部 )
ローキャップ・キャップの補強
ミズンマスト組立完了後、ローキャップ・キャップの
補強をしていないことに気づき、取り付けることにしました。( → 部 )
ローキャップには、 0.2mm ×1.5mm の真鍮帯板を巻付けました。
固定部は、φ0.5mm の加工した手芸用9ピンをアイボルトとして挿入しました。
キャップには、0.2mm ×1.0mmの真鍮帯板を
巻付けました。
固定部は、φ0.5mm の加工した手芸用9ピンをアイボルトとして挿入しました。
補強バンドを取り付けると、見栄えがよくなったきがします。
バウスプリットの製作①
ミズンマスト・バウスプリット全体図・部材図を参考にバウスプリット加工図を作成しました。
バウスプリットの製作②
加工図に基づき、バウスプリットを製作しました。
バウスプリットは、φ8.0mm マホガニーを研削しました。
ジブブーム・フライングジブブームは、φ4.0mm マホガニーを研削しました。
バウスプリットキャップは、3mm の
紫檀を加工し、0.2mm ×1.0mm の真鍮帯板を巻付けました。
キャップと端部はチェーンで縛り、
フートロープは、刺繍用#40 番の黒糸を使用しました。
ジブブームキャップは、2mm 紫檀を加工しました。
バウスプリットの製作③
ドルフィンストライカー・スプレッダーは
4mmマホガニーを研削しました。
取付部のジョーは、φ3.0mm・5.0mm
真鍮パイプを加工し、粉末銀ロウで
ロウ付しました。
これに、0.2mm ×1.2mmの真鍮帯板
を巻付けました。
バウスプリットには、ジョーに挿入した、φ0.5mm の真鍮線を差し込み、固定します。
バウスプリットの船体取付
船体に取り付けたバウスプリットの先端に、
フォアトップマストステイ等が取り付けられるビーは、3mm のユーカリを加工しました。
フォアステイ用滑車は、φ0.8mm 真鍮線を加工して固定しました。
ドルフィンストライカー・スプレッダーのジョーと
バウスプリットの取付部は、外径φ1.5mm の
ビーズを使用しています。 ( ○ 部 )
セールの加工図作成②
セール全体図・詳細図を参考に、各部のセール加工図を作成しました。
セールの加工図作成③
セール全体図・詳細図を参考に、各部のセール加工図を作成しました。
セールの加工図作成④
セール全体図・詳細図を参考に、各部のセール加工図を作成しました。
セールの製作①
メイントップセールにてセールの製作手順を記述します。
1)白色の薄い生地を、紅茶を使用し茶系に着色
2)作成したCAD図の加工図を半紙にプリントし、スプレー糊で着色生地に接着
3)#60 番の普通地用の茶系ミシン糸で縫い付けラインをミシン掛け(写真-1)
4)完成セールラインより、15mm 外で半紙共に切断(写真-2)
5)プリントしたCAD図の半紙を剥離(写真-3)
6)切断箇所整形を兼ね、10mm に再切断(写真-4)
7)端部をアイロン接着両面テープで三つ折り整形(写真-5)
8)整形箇所のミシン掛け(写真-6)
9)リーフバンドとして、B=3.0mm で茶系布を取り付け(写真-6)
10) #30 番の茶系のレース糸をボルトロープとしてボンド接着(写真-7)
11)硬化後、#90番の同色ミシン糸で、2.5~3.0mm 間隔で縫い付け(写真-7)
12)1.5mm×3mm リングを、イヤリングとして#90番のミシン糸で取り付け(写真-8)
13)1mm×2mm リングを、クリングルとして#90番のミシン糸で取り付け(写真-8)
セールの製作②
コピーした半紙を、生地にスプレー糊
で貼り付けてあるため、生地のたるみ
が発生せず、ミシン掛けがスムースに
できた。
縫い付けラインに添ってのミシン掛け後、コピーした半紙を、生地より剥離する前にカッターナイフやハサミで、仕上がりラインより、15mm 外側でカットする。
セールの製作③
生地より半紙を剥離する時の作業は、
一区画ずつ注意して実施する。
早急な作業は、ミシン糸破断の原因になります。
生地と半紙の剥離後、端部の整形のため仕上がりラインより、10mm でカットする。
端部を三つ折りにするため、アイロン接着両面テープを貼り付ける。
セールの製作④
貼り付けたアイロン接着両面テープを
三つ折りして仕上げる。
製作完了時、風の膨らみ整形の為、
左右及び下端に、φ0.4mm 真鍮線を
挿入しました。
三つ折り箇所のミシン糸は、縫い付けラインと同じ糸を使用しました。リーフバンドは、自宅近くの100円ショップでナチュラルカラーの「なまえテープ」を見つけ、3mm 幅にカットしたものを、アイロン加熱して貼り付けました。
セールの製作⑤
ボルトロープは木工ボンドで接着後縫い付けしたため、作業効率が良好でした。
縫い付け時、φ0.4mm 補強用真鍮線も同時に巻き込みしています。
クリューは、ボルトロープ接着時に整形し、ロープ縫い付け糸で緊張しています。
1.5mm×3mm のイヤリング(○部)、
1mm×2mm のクリングル(○部)は、
ボルトロープの縫い付け糸に緊張しました。リーフポイントは、#30番ミシン糸を縫い付け後、瞬間接着剤で固定。
セールの製作完了①
セール製作完了写真(1)
ヤードの製作①
メインマスト・フォアマスト用ヤード主要部材イラスト
ヤードの製作②
メインマスト・フォアマスト用ヤード詳細イラスト
ヤードの製作③
メインマスト・フォアマスト用ヤード全体図・部材図を参考にヤードの加工図を作成しました。
メインヤード・フォアヤードの製作
加工図に基づき、メインヤード・フォアヤードを製作しました。
メインヤード・フォアヤード共、φ6.0mm マホガニーを研削しました。
中央部は、t=1.0mm マホガニーを貼り付け、研磨しました。
補強用フープは、0.2mm ×1.2mmの真鍮帯板を巻付けました。
ジャックステイボルトは、φ0.5mm 手芸用9ピンを加工しました。
補助帆用ブームは、φ3.0mm アガチスを研磨し、墨汁で着色しました。
ブーム受金具は端部・中央部共、 0.2mm ×1.5mmの真鍮帯板を整形し、φ0.8mm手芸用9ピンを加工して挿入しました。
フートロープは、刺繍用#40番の黒糸を使用し、水ボンドを塗布しています。
スターラップは、φ1.2mm 真鍮管に黒糸を巻付けています。( ○ 部 )
トップセールヤードの製作
加工図に基づき、メイン・フォアトップセールヤードを製作しました。
メイン・フォアのトップセールヤード共、φ6.0mm マホガニーを研削しました。
中央部は、t=1.0mm マホガニーを貼り付け、研磨しました。
ジャックステイボルトは、φ0.5mm 手芸用9ピンを加工しました。
補助帆用ブームは、φ3.0mm アガチスを研磨し、墨汁で着色しました。
ブーム受金具は端部・中央部共、 0.2mm ×1.5mmの真鍮帯板を整形し、φ0.8mm手芸用9ピンを加工して挿入しました。
フートロープは、刺繍用#40番の黒糸を使用し、水ボンドを塗布しています。
スターラップは、φ1.2mm 真鍮管に黒糸を巻付けています。( ○ 部 )
トゲルン・ロイヤルヤードの製作
加工図に基づき、トゲルン・ロイヤルヤードを製作しました。
トゲルン・ヤードは、φ4.0mm マホガニーを研削しました。
中央部は、φ6.0mm マホガニーを八角柱に研磨しています。
端部のリング状ブロックは、φ0.5mm の 3mm 真鍮リングを取り付けています。
ロイヤルヤードも、φ4.0mm マホガニーを研削しました。
中央部は、八角柱に研磨しています。
ローヤードへのコース取付
ローヤードにコースを取り付けしました。
コースは、ローヤードに設置したジャックステイに固定しました。
取り付け糸は、#20 番の茶系ボタンつけ糸を使用しまた。
縫い付けの縦糸が垂直になるように作業をすすめました。
間隔は、4mm 程度にしています。
セールをジャックステイに取り付けたため、セールがヤードに垂れさがった状態になっていません。(↓部)
ローヤードのマスト取付
コースを事前に設置したローヤードをマストに取り付けしました。
取り付けには、1.5mm の極細チェーンを使用しまた。
チェーンの連結は、手芸用Cカンを使用しました。
緊張したチェーンは、トップ下部に取り付けた金属滑車により、リギング用の黒糸に連結しています。
ヤードの緊結には、φ1.5mm リングチェーンをマストに絡めています。( ○ 部 )
ローヤードのセールであるコースは、巻き上げた状態でリギングの予定です。
トップヤードのマスト取付
トップセールを取り付けたヤードをマスト取り付けしました。
取付には、右写真のパレルを製作して固定しました。( ○ 部 )
パレルは、6mm のB型リブに、2mm のビーズ玉をはさんでいます。
取り付け糸は、#40 番の黒刺繍糸を使用しまた。
トルゲン・ロイヤルヤードのマスト取付
それぞれセールを取り付けたトルゲンヤード、ロイヤルヤードの順にマストに取り付けしました。
取り付け糸は、#40 番の黒刺繍糸を使用しまた。( ○ 部 )
他のヤード取付同様、左右・水平・平行を常にチェックしながら作業しました。
セールに挿入したハラミ整形用真鍮線の変形に注意しながらの作業でした。
コースのハーバーリグ
メイン・フォアの各コースは、甲板上の艤装を見やすくするため、帆をたたんだ状態のハーバーリグにしました。
マストにスタンディングリギングのシュラウドを取り付ける前に、コースのバントライン・クルーライン・リーチラインを設置し、たたんだ状態にしました。
トライセールの事前取付
メイン・フォアマストに設置のスパンカーガフにトライセールを事前取付をしました。
トライセールマストにもラッシングをしています。(○印)
シュラウド作業前に、トライセールを取り付けることにより、リギング作業が容易に出来ました。
シュラウドの取付
スタンディングリギングの最初の作業として、シュラウドを取り付けました。
船首側のシュラウドには、
サービングを実施しました。
自作のサービングマシンを製作し、
#60 番の黒ミシン糸を使用しました。
デッドアイの間隔を等しくするために、
φ0.8mm 真鍮棒を粉末銀ロウでロウ付
して、X型ピンを製作しました。 (○印)
ミゼンマスト及びメイン・フォアマストの上部シュラウド用デッドアイの間隔保持には、φ0.5mm の真鍮棒にてX型ピンを製作しました。
ラニヤード・ラットラインの取付
デッドアイ間隔保持用X型ピンを取り外し、
ラニヤードを結びつけました。
メイン・フォアマスト下部のラニヤードには、#20 番の黒ミシン糸を使用しました。
ミゼンマスト、メイン・フォアマストの上部ラニヤードは、#30 番の黒ミシン糸を使用しました。
ヤードのランニングリギング
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、ヤード関連の下図ランニングリギングのイラストが掲載されています。
これを基に作業しました。
ヤード関連のリギングは、リフトではヤードの水平確保、ブレースではヤードの平行確保に注意しての作業でした。
バウスプリットにおける
ランニングリギングは、
スプレッダーの水平及び
平行角を確認しながら
作業しました。
基本として、黒ミシン糸
を使用しました。
セールのランニングリギング
アナトミーの、HMS BEAGLE の
資料には、セール関連の
右図ランニングリギングの
イラストが掲載されています。
これを基に作業しました。
セール関連のリギングは、
クォーターセールでは下部
ラインの丸み・全体のハラミ
に注意しました。
ヘッドセール・トライセール・
スパンカーセールでは、左右
バランスやタルミ防止対策に
注意しました。
基本として、茶系ミシン糸を
使用しました。
セールのランニングリギング写真
フラッグの製作・取付
フラッグの製作は、英国海軍旗のイラストを参考にして、CAD で作図しました。
セールに使用した薄地に、アクリル絵の具で両面に着色しました。
乾燥後端部を折り返し、0.35mm 真鍮線を挿入しました。
帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE
(scale 1/55) の、スクラッチビルドによる
製作日誌第25回は、最終完成写真です。
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料を基に
基本図面の作成に約4ヶ月を費やし、また
製作過程でも追加の図面を作成しながら、
製作開始より3年あまり、かかりました。
自分としては2隻目の帆船模型でしたがなんとか完成しました。ビーグル号の製作日誌ここまでです。
ありがとうございました(^o^)/