次回制作予定の咸臨丸について調べてみると、色んなことが判った話
帆船模型の制作の面白さは物づくりの面白さである事はもちろんのこと、その殆どの船は歴史上実在した船なので、その史実やその船の周辺の当時のことを調べると、
それはそれで「ヘエ〜そうだったのか」と感心することやびっくりすることがあって、制作している船にも 色んな想い入れが乗っかって、そんな空想をしながら制作するのも楽しいものだと 今、作っているサンタマリア号でそういう楽しみを発見したんです。
今回はプロローグと動機です。 投稿 米川
◎ 咸臨丸を作ろう
今度作る船も、そんな楽しみ盛り沢山な作り方がしたいとの思いで、事前に勉強してから 制作にかかりたいと云う気持ちに駆られたんです。
しからば、何を作り、どういう事を勉強するのか。
いろいろ考えた挙げ句 以前から興味を持っていた、船の発達史の中で 帆船にエンジンが付き、外車船(外輪船)が 一世を風靡し、暫くしてプロペラのスクリュー船が主流となった、あの目まぐるしく
テクノロジーが花を咲かせたあの時代に見たこともない大きな蒸気船が日本にやって来た。
そう、あの太平の世の中をひっくり返したアメリカの黒船。衝撃的な出来事
正に、船のテクノロジーが見る者を驚愕させ、その後日本の体制までも変えてしまった。
あの事件は第一級、超ド級の一大事件。 この出来事にやっぱり一番気が惹かれる
で、その事件の主役である黒船「サスケハナ号」を作るのか、その後に日本にやって来た「ポーハタン号」を作るのか。
どちらも帆船であってアメリカ艦隊の主力艦、蒸気エンジン搭載の外車船。
二隻とも興味を引く船には違いないが、やっぱり資料が不足、詳細がよくわからない
ウ〜ン どうするべきか。
その動乱の時代、黒船事件に刺激を受けた江戸幕府が作った船(正確には買った)
「咸臨丸」という船はどうか。
この船は帆船であって蒸気エンジン搭載のスクリューを持った船その当時の最先端のテクノロジーをもった船であって、しかも何よりこの船のことは皆が知っている。
名前を聞いたことがある人は船に興味がない人でも結構多い まあ皆んな、歴史の授業で習ってるからなんだなあ。
それに、なんと言っても、超有名人である、勝海舟さん 福沢諭吉さんが乗ったという船なんです。
先日(4月末)に行なった倶楽部の作品展 この展示会に当帆船倶楽部の細川会員が「咸臨丸」を出品されたんです。
京都という土地柄、海外の観光客も大勢観に来て頂いた、その中でオーストラリアのご夫妻が 咸臨丸をじっと観ておられたので
私が1万円札の肖像画を指さして、この人が乗って サンフランシスコまで渡った、日本最初の軍艦 なんですよって説明してあげたら「オーワンダフル!」って言って覗き込んで観ておられた。
まあ、咸臨丸はきれいな流線型の船体に3本マストのシンプルなかっこいい船。歴史の動乱の荒波のただ中を突き切り、日本の近代史に燦然と輝く船ですよね、
そうだ!これに決めた。 これを作ろう!
今回から新連載として「咸臨丸の夢」というショートコラムをスタートしました。今回は プロローグとしての動機等を書きましたが、次回からは本題としての咸臨丸に関して勉強した話題を書いていこうと思います。
全体で24回くらいを想定していますが、まあどうなることやら 素人のつたない文章にどこまで付き合っていただけるか 正直心配だらけですが、なるべく面白いものにしたいと考えています。
これを連載しながら、どこかで実際の模型制作の製作日誌をアップしたいと考えています。
乞うご期待!