製作日誌 ビーグル HMS BEAGLE(19)

beagle #19-1帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌 第19回は、艦載ボート船体取付です。

艦載ボートの船体取付は、4種類の方法がとられています。

アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右図のクォーターダビッドイラストが、掲載されています。

これを基に製作図を作成しました。

吉村 製作

クォーターダビッドの製作①

右上図の製作図を基に製作をすすめました。

使用材料は下記のとおりです。(次頁左下写真参照)

支柱       φ2mm 真鍮パイプ
滑車ボックス    t=0.3mm 真鍮板を、B=3mm に切断工    滑車輪      φ2mm 真鍮パイプ
車軸・アンカー  φ0.5mm 真鍮線を加工
牽引リング           φ0.5mm 真鍮線を加工
ブレース     1.0mm×1.0mm 真鍮角材を曲線加工
クリート     t=0.5mm 真鍮板を整形加工
固定アンカー    φ0.7mm 真鍮線を加工

beagle #19-2 ①の支柱の曲線加工は、常に製作図とチェックしながらすすめました。

②の滑車ボックスは、切断した帯状真鍮板を箱状に加工しました。

滑車ボックス内に、③の滑車輪を挿入し、④の車軸・アンカーを挿入しました。


クォーターダビッドの製作②

④の車軸・アンカーに、⑤の牽引リングを接続しています。

⑥のブレースの曲線加工は、常に製作図とチェックしながらすすめました。(両先端は、①の支柱に合わせ、尖らせています。)

⑦のクリートは、2.5mm 幅に切断した後、整形しました。

部材写真       粉銀ロウ接続完了

beagle #19-3

beagle #19-4


クォーターダビッドの船体取付①

完成したクォーターダビッドは、3箇所のアンカーを瞬間接着剤で固定しました。クォーターダビッドの連結は、極細チェーンを使用しました。

牽引リングとの接続は、φ0.5mm の手芸用Cカンを整形しています。牽引チェーンは、タルミが発生しないよう慎重に作業しました。

補強用固定材は、 3.0mm×1.2mm ユーカリを、U型に加工した φ0.5mm 真鍮線で上下2箇所固定としました。

取付完了写真(後部)      取付完了写真(側部)

beagle #19-5

beagle #19-6

 

 

 

 


クォーターダビッドの船体取付②

左舷クォーターダビッドは、25ft GIG を懸垂します。右舷クォーターダビッドは、25ft WHALEBOAT を懸垂します。

懸垂箇所は、ミゼンマストのシュラウド取り付け場所にあり、リギング作業が困難になるため、仮の懸垂で取り付け状況を確認しました。

フック・滑車は、リギング完了後に使用の予定です。

左舷 25ft GIG 懸垂写真  右舷 25ft WHALEBOAT 懸垂写真

beagle #19-7

beagle #19-8

 

 

 

 


ホーンダビッドの製作

beagle #19-9アナトミーの、HMS BEAGLE 資料には、右上図のバックボート用のホーンダビッドイラストが、掲載されています。

beagle #19-10このイラストを基に、製作図を作成しました。(右下図参照)

ホーンダビッドは、 5mm ハガキ大の黒檀に、裁断した製作図を貼り付け、糸ノコで切断後、整形しました。

滑車用の孔は、φ0.8mm を4箇所開け、側部に車軸として、φ0.8mm 丸棒を挿入しました。

端部バンドは、 0.2mm×1.0mm の真鍮帯板を加工し、φ0.5mm 真鍮線で固定しました。


ホーンダビッドの船体取付①

ホーンダビッドの側面には、クォーターダビッドの牽引用固定リングが設置される構造になっています。

このリングは、φ0.6mm 真鍮線を加工し、整形した手芸用 φ0.5mm 真鍮9ピンで固定しました。

リギング用のクリートは、ウォールナットで加工しました。船体後部への取付用として、φ0.7mm 虫ピンを使用しました。

ホーンダビッド完成写真             船体取付写真

beagle #19-11

beagle #19-12

 

 

 


ホーンダビッドの船体取付②

ホーンダビッドは、 JOLLY BOAT を懸垂します。

懸垂用滑車は、3mm シングルブロックに、φ0.5mm 真鍮線を組み込み、 #40 番の黒のレース糸を使用しました。

固定用クリートはユーカリで作成し、ホーンダビッドに取り付けました。 (  部 )

beagle #19-13

 

JOLLY BOAT 懸垂写真

 

 

 


ボートスタンドの製作

beagle #19-14アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右上図のYAWL・CUTTER 用スタンドイラストが掲載されています。

このイラストを基本に左下の製作図を作成しました。底部は、t=1.5mm マホガニーを、beagle #19-16φ12mm に加工し、φ0.6mm 丸頭真鍮釘で固定しました。(墨汁塗装)

上部は、t=3mm のユーカリを艇体にあわせ加工しました。底部と上部は、φ0.8mm 真鍮線を挿入しています。

beagle #19-15

 

 

ボートスタンド船体取付写真

 

 

 


ボートスタンドの船体取付

当初、ボートスタンドは2箇所が安定すると考え、左写真のように作業しましたが、見栄えを考慮して、アナトミーの資料のとおり3箇所に追加しました。

やはり、資料に即した作業が重要です。ボートスタンドには、26ft YAWL と 23ft CUTTER が重ねて固定されます。

固定フックは、φ0.5mm 手芸用9ピンを加工し、#30番の黒糸を巻きました。

チェーンは、1リング約2.5mm のものを使用し、途中に固定ハンドルを挿入しました。

当初写真↓           取付完了写真↓

beagle #19-17

beagle #19-18

 

 

 

 


ボートビームの製作

beagle #19-19アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右図の28ft WHALEBOATS 2艇艦載用のビーム部断面図が掲載されています。

この断面図を基本に左下の製作図を作成しました。ビームは、5mm×4mm マホガニーを加工しました。

beagle #19-20脚部は、裁断した加工図を貼り付け加工しました。加工時に下部を、t=2mm にテーパーを付けています。

beagle #19-21ビームと脚部は、φ.5mm 真鍮線を、挿入しています。ビーム上部に、ボート固定用ブロックを寸法チェックして接着しました。

ビーム本体製作完了後に、全体を墨汁塗装しました。


ボートビームの船体取付

beagle #19-22ビームと脚部の補強用鋼材として、0.2mm×1.5mm の真鍮帯板を、45°の曲りをつけ、φ0.5mm 真鍮線を挿入して固定しました。

ビームの脚部がピンレールに乗りかかるため、固定用として φ0.8mmの真鍮線を挿入しました。

beagle #19-23後部甲板には、ホエルボートの固定用ブロックを寸法チェックし、設置しました。

ロープは、#20 番黒レース糸です。

取付完了写真(上部)
ボート設置写真(下部)


HMS Beagle:Survey Ship Extroadinary (Anatomy of the Ship)

著者  Karl Heinz Marquardt        出版  Conway Maritime


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