帆船模型 ビーグル HMS BEAGLE (scale 1/55)の、スクラッチビルドによる製作日誌
第14回は、船体付属物作業の8回目です。
船体付属物作業、今回は「帆船航行装備品」です。
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右上図の深海調査ウィンチのイラストが掲載されています。
このイラストを基本に製作図を作成しました。
深海調査ウィンチ製作図
吉村 製作
深海調査ウィンチの製作①
本体は、 4mm×20mm のマホガニーを、木工旋盤・サンダー・ヤスリ等で、φ18.0~φ15.5 及びΦ15.5~φ13.0 に加工しました。
背面板は、 0.3mm の真鍮板を、サンダー・ヤスリで φ19mmに加工し、別途に異形加工した 2個 の部材と、粉末銀ロウでロウ付しました。
操作輪は、 1.0mm×1.0mm の真鍮角材を、φ3.0mm の真鍮パイプに、粉末銀ロウでロウ付した後、2mm 厚のマホガニーを φ12.5mm 加工し、φ10.5mm の抜き取りをした輪材に切り込みを施し、差し込みました。
スタンションは、 2.0mm×10mm のマホガニーを加工し、足元に 1.0mmの固定板を取り付けています。
深海調査ウィンチの製作②
ハンドルは、1.0mm×1.0mm の真鍮角材に、φ3.0mm の真鍮パイプ及びφ0.5mm真鍮棒を両端に、粉末銀ロウでロウ付しました。
真鍮棒には、φ1.2mm の真鍮パイプをかぶせました。
スタンションは重厚感を演出するため、墨汁にて黒染めを施しました。
離隔保持材は、φ1.2mm の真鍮パイプを、φ0.6mm の真鍮釘で固定しました。
ワッシャは、 0.3mm の真鍮板を、サンダー・ヤスリで加工しました。
深海調査ウィンチ完成写真
深海調査ウィンチの船体取付
深海調査ウィンチは、構造上不安定な状態で製作されています。
そのため船体甲板への取り付けは、転倒防止を考慮して釘止めとしました。
スタンションの底部と甲板に、φ0.6mm のドリル穴を開孔し、φ0.6mm 丸頭真鍮釘で固定しました。
深海調査ウィンチ船体取付写真
ラダーの製作①
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料には、右図のラダーのイラストが、掲載されています。
このイラストを基本に製作図を作成しました。
ラダーの製作にあたり、寄木での加工とするため、3部材の使用としました。
尚、寄木のラインをカギ状にするのは加工が複雑になるため、直線としました。
ラダー製作図
ラダーの製作②
ラダーは、5mm×50mm×200mm のカリン短冊を使用しました。
製作図にそって、3枚のカリン切断材を接着し、整形しました。
ソールは、カリンを 2.5mm に整形して接着しました。
ラダーの船体側断面は、120°の山型に整形しています。
金具のピントルは、0.2mm×1.8mm の真鍮帯板に、
φ0.8mm の真鍮線を、粉末銀ロウでロウ付しました。
流出防止チェーン取付用のアイボルトは、φ0.5mmの手芸用9ピンを差し込みました。 ( 〇 部 )
ラダーの船体取付①
船体スターンポストの断面も、ラダーと同様に、120°の山型に整形しました。
金具のガジョンは、0.2mm×1.8mm の真鍮帯板に、φ1.2mm の真鍮パイプを、粉末銀ロウでロウ付しました。
ピントル・ガジョンの固定は、φ0.8mm の真鍮釘の丸頭部を研削して使用しました。
船体側金具ガジョン取付写真 ラダー船体取付写真
ラダーの船体取付②
船体付属部品がほぼ取り付け完了した時点で、流出防止チェーンおよびロープをラダーに取り付け、船体に装着しました。
チェーンは、1リング約2.5mm のアンティーク風のものを使用しました。
連結ロープは、#20 番の茶系レース糸を使用しています。
固定用アイボルトは、φ0.5mm 手芸用9ピンを使用し、後部甲板に挿入しました。
舵輪の製作・船体取付
アナトミーの、HMS BEAGLE の資料に掲載の舵輪図は、彫刻等が施された複雑な構造であるため簡素化して、下左図の製作図を作成しました。
操作輪は、2.0mm厚のマホガニーを φ20.0mm 加工し、φ16.0mm の抜き取りをした輪材に、φ1.0mm のマホガニー棒を挿入しました。
中心材は、φ6mm の丸棒を加工しました。
スタンションは、1.5mm×8mm のマホガニーを加工し組み立てています。
船体への取り付け場所は後部甲板の下にあるため、木工ボンドで固定しました。
舵輪製作図 舵輪船体取付写真
出典元
HMS Beagle:Survey Ship Extroadinary (Anatomy of the Ship)
著者 Karl Heinz Marquardt 出版 Conway Maritime
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