製作日誌2 HALFMOON#4

5月2日投稿の#3の続編です。

今回はトップの作業です。

HalfMoonV4 01

今まで作った部品を船体に取り付けた状態。
少し船らしく格好がついてきました。!(^^)!

HalfMoonV4 02船体後部の部品を取り付けた状態。

ここまでで一応船体関係の艤装作業は完了しました。

次からマストなどリギング類の制作に取り掛かかります。
少し休憩した時期もありましたが、約1年が経過しました。

リギングのおすすめの本です。洋書ですが、ほとんど99%絵なので全く問題ありません。
The Rigging of Period Ship Models:
A Step-by-step Guide to the Intricacies of Square-rig
アマゾンのHP 出版元のHP

HalfMoonV4 03 マストもマホガニーの丸棒を購入し
図面の指示通りさせ作成取り付けました。
マストは船体に対して垂直ではなく傾斜していることに注意が必要です。
レーキ(後ろに傾ける)といいます。
英国船はフォアは垂直、メイン、ミズンが後ろに傾きますが、
オランダ船は英国船(4~6%勾配)よりもかなり傾きます(8%勾配)

出典:The rigging of ships 著R.C.Anderson 13頁
    amazonのHP  出版元のHP

HalfMoonV4 04トップ(見張り台)
17世紀のオランダ船は、英国とことなり、平たいトップではなく籠になっています。
時代とともに籠の深さが浅くなり、最後は平板になります。
写真上部がキットの部品。
初心貫徹で写真下部のようにマホガニー材で製作します。
非常に細かい作業で何度も失敗しました。これだけで3日も費やしています。

HalfMoonV4 05組み立た状態。メーンマストとフォアマストのトップ(見張り台)。
左側はワトコオイルを塗った状態です。

HalfMoonV4 06細かい作業にはピンセットが必需品となります。
良いものを選びましょう! 安物では先が合わず使い物になりません。
暇を見つけてはホームセンターを巡り色々探したが、先端がカーブした物が扱い易い。

HalfMoonV4 07リギング作業時に使用するハサミ。
解りずらいが写真右上のハサミは先端がカーブしている。
結構扱いやすく多用している。
刃物は良いものを使いましょう。作業効率が全然違います。菊一文字は高価ですが是非そろえたい一品です。
ビレイビンの作業

ロープを止めるものは3種:クリート、ケベル、ビレイピンです
ケベルはロワーシートやブレースに使います。
ビレイピンはもっともポピュラーな止めとなります。

HalfMoonV4 08写真左から順に
キットの金属製のビレイピン
市販品の木製ビレイピン
細く成型したビレイピン
ワトコオイルを塗ったビレイピン
資料によると、金属製のビレイピンは18世紀に入ってから採用されたそうで、ハーフムーンの時代には無いです。
その為木製のビレイピンを購入したが
太い為写真のように成型加工した。

HalfMoonV4 09木工旋盤のチャックにビレイピンを挟みヤスリで成型しました。
数が多く少し力を入れると折れてしまう為、結構根気のいる作業となります。
旋盤加工での切削のし易さは材によって全く異なります。
柘植、カステロ、サクラ、ペーウッドなどは切削性が良いです。
写真上部がキットに入っていたプラスチック製の滑車類。
<グレードアップ>
HalfMoonV4 10下部がマホガニー材で製作した滑車。
但し、右端の三目滑車(デッドアイ)は市販品を使用した。

豆知識
三目滑車(デッドアイ)
デッドアイとは「死人の目」という意味で三つの穴が髑髏を 思わせるところからそう呼ばれるようになったそうです。

滑車の製作
HalfMoonV4 11 角材に穴を開けて切り離した後ヤスリで成型します。
小さくて手で持っての作業は無理な為、刺抜きを利用すると便利。
真鍮板を輪っかにしてはめ込んで固定できるようにしています。
溝は極細の三角ヤスリを使用します。
ナイフヤスリ(両刃やすり)では割ってしまうので、三角ヤスリが良いです。
上野文盛堂本店の精密やすりはお勧めです。

#5へ続きます。