2月の例会の様子

あいにくの小雨でしたが、15人の参加でした。
今回も船を持ち込んでの和気あいあいの例会でした。

午前中は、各自船を持ち寄って先輩から製作アドバイスを個々具体的に受けていました。

サンタマリア号を2人の人が偶然製作しています。
 

手前の船はフィラー(詰め物)をすでに装着済みで、フレームの成形に入る手前です。


綺麗に合板に桜材を継いでいます。見えるところが桜で見えないところは合板となっています。
レームとキールも直角できれいに組まれています。

 


きれいに組まれたフレームですが、よーく見ると先頭のフレームが僅かに左に傾いているのが分るでしょうか?

きれいに組まれているだけに(≧▽≦)

 

 

 


カタロニア船も見事は出来栄えです。

前から見ても、船首付近の丸っこさと蓋板のまとめかたが見事です。

 


横から見ても

ウエルのなだらかなカーブと蓋板がキッチリと通しで張られています。

ウォールナットの色合いも見事にそろっています。


ろから見てもウエルの船尾への上がり方。

それに沿って正確に割り付けられた外板。

きれいにまとめられています。

丸っこい船体に見事に外板が張られています。

ここまで丸っこい船の外板を綺麗に貼るには経験が必要です。

丸い船尾の船(ラウンド・タック)の場合はスターン部分は取り外し式にし最後にはめるようにした方が綺麗に加工ができます。


ダーウィンのビーグル号です。

上甲板を綺麗に貼っています。

作業船台にも注目してください。


レディネルソンも着々と進んでいます。

堀会長が丁寧に指導しています。

作業は焦らずゆっくりとです。飽きず・焦らず、あきらめずです。


二人で旋盤に鉋ジグをつけたマシンで熱心に語り合っています。
このマシンは帆船づくりに大変便利です。

午後は、今回から初心者向けに超スローの製作講座をすることとなりました。
講座の詳細は別途発信します。しばらくお待ちを・・・

堀新会長のあいさつです

大継新事務局長が説明をします。

今回は、船体の製作の最初の一歩です。
〇フレーム材のレザーカット部品の確認
〇作業用船台の用意
作業中に水平と垂直を正確に得るために、丈夫な反りのや歪みのない作業台に
固定して作業します。
高価なボールマウントの台は不要です。
垂線を得たいので厚さ1cm程度のMDF材の両端をカットしキール抑えとして作ると簡単にできます。
MDF材はホームセンターに必ずあり安く歪みがないので便利です。
実はこの段階から様々な準備をしておくと後の作業がグッと効率的になります。
〇キールのアップグレード
キットのキールは合板なので、薄い化粧板を張るか、見える部分は無垢材に置き換える必要があります。
本日の米川会員のサンタマリアではやや広めに桜材に置き換えています。これはフレームで桜材を挟み込み安定させるためです。ラベット(外板が入る溝)の部分から無垢材にかえてもいいですが、この場合は補強のためにピンを打ちます。ピンが気になる方は、隠し釘の要領でピンを深く打ち込み、無垢材の端材で埋めていきます。通常は船体の下側で見えないのでそこまではいいでしょう。
ラベット(外板の入る溝の加工)
フレームと組む前に溝を掘った方が、作業効率がいいです。
溝は、ケガキやブラス・マーキングゲージ
で掘ると、正確に一定の間隔で掘れます。安定した台にキールを横たえてケガキで作業してください
両舷とも同じように掘ることが大事です。
〇フレームの仮組の準備
▽フレームとの噛み合いの確認
フレームの入るキールの凹の部分の角度と深さをチェックします。
また、鉛筆で凹の部分を延長しフレームが前後に傾かないようにします。
▽マストの凹部の角度の点検
フォア・マストやメインマスト、ミズン・マストはそれぞれ傾斜しています。
それぞれ角度も違いますので図面を見ながら正確にマストの凹の部分を切ります。
基本的にフォアは垂直か前傾、メインは後傾き、ミズンはメインよりも更に後傾です。
年代、国によって大きく異なります。
後傾角度は正確にしないと、後傾した分、トップでは同じ角度を補正しないとトップが喫水線に水平になりませんから要注意です。
マストは丸いですが、角材から加工した方が後々便利です。
マストステップ(マストとキールの接点)も四角とした方が、後でマストのトップが不意に回ることを防げて便利です。キール材の両側に木片をあてがいます。
▽グレーチングの位置の確認
グレーチング(格子)がどこにくるかは、必ずチェックします。グレーチングのしたの部分はキールを削る必要があります。
○フレームとキールの組み立て
フレームとキールが垂直となるように角材や面木を利用するとより確実に直角に組めます。
キールが曲がらないこと、フレームが前後左右に傾いていないか正確に確認します。
バテンにあわせてフレームにベベルをつけますが、フレームを不用意に削らないように鉛筆で塗っておきます。
フレーム間にはフィラー(踏め物)を入れますが、これはホームセンターで手に入るファルカタを使うと安く便利です。
船底の形は、図面を良く見て正確にイメージしてベベルを削ります。
年代、国によって船首船尾の形は大きく異なります。
外板を張る前のフィラーをつめて成型した形が船底の形を決めますので急がずに丁寧に作業します。
今回はここまでです。次回以降をお楽しみに・・・・