製作技法 ボート#2

前回からの続きです。

ルカン08

フレームを注意深くバリバリと取り除きます。

そうするとフレームが広がろうとするので凹型の治具で広がらに無い様にします。

 

細い角材で本物に近いフレームを接着していきます。間隔に注意しながら貼ります。ルカン09

 

 

 

ルカン10

フレームの間隔が均等となるように、注意します。

ルカン12

 

 

 

スノコを細く切り出した材を使って作ります

 

 

 

 

ルカン13

 

クランプでしっかり固定します。

 

 

 

ルカン14

漕ぎ手の座を加工します。

支柱も取り付けます。

細かな作業ですが、根気よく作業します。

 

ルカン17

 

手すりも取り付けます。

 

 

 

これで船体は完ですが、次号#3では、ついでに帆もとりつけたいと思います。

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積載ボートについての豆知識

ボートは救命ボートではありません。
港と船の間の輸送(人、荷物、水)や錨の作業などに使われていました。
荷物用の大型のものと船長移動用の小型艇があります。
意外にいずれも帆走できます。

ロング・ボート(long boat)
1780~ランチ(launch)へ変わります。
8~14オール 荷物、人、アンカー設置に使う
巻き上げ機(windlass)と前マスト、主マストを装備
ランチの方がより断面が四角く船尾が広い。
バウンティ号の叛乱でランチに載せられたブライ艦長は3000マイル走破したことで有名 キット(Model Shipwaysから1/16)も出ています。

ピナース(pinnace)
船長用のボート オールは8以下 バージは10オール以上 1618~
6.6m~10.5m 200t以上 8オール8.4m、未満 7.2m
長:幅=4:1~6:1 船尾が狭く船尾梁(transome)が非常に小さいのが特徴  2本マスト

バージ(Barge)
1700年ににピナース(pinnace)から分岐
ピナースより大きい10オール以上9.6m 帆艤装、形状はピナース(pinnace)と同じ  長さ:幅=5:1

ヨール(yawl)
7.8m 4オール 6~8オールもある。2本マスト
鎧張り:クリンカー・ビルト(clinker built)
船尾材(sternpost)はまっすぐではなく曲線 船尾梁(transom)はとても小さい
18世紀末には、平張 カラベル・ビルト(carvel-built)で船尾材(sternpost)も真っ直ぐに変わっている。

カッター(cutter)
1740に登場。yawlより長く、船尾材(starnpost)は直線で、船首が尖がっている。ピナース(pinnace)より幅広で深く短いので、帆走性が良い。クリンカービルト(clinker built)鎧張り 2本マストで6オール 4.5m~8.4m

ジョリー・ボート(jolly boat)
17世紀初めから普及している小型艇 4.2m~6.1m
4オールで2本マスト

参考文献 次の2冊です。いずれもConway Maritime Pressの本です。

The Construction and Fitting of the English Man of War: 1650-1850
Peter Goodwin
構造について極めて詳しき記載されています。

The Line of Battle: The Sailing Warship 1650-1840
Robert, ed. Gardiner
数人の著名な方々が書いた良くまとまった一冊で、構造、帆、砲などこれ一冊で結構よくわかります。