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五十嵐会員からの帆船模型に使う材木の種類について紹介がありました。
〇ホームセンターで簡単に入手できる材
ヒノキ その代用材のアガジス、カツラ、ブナ
いずれも彫刻には向かない。ボロボロと崩れるので、グレーチングも作成困難
ヒノキ、アガジズは、ワトコ仕上げが悪く、塗装が前提となります。
アガジズのフレーム例:1/96のバウンティ号
黄色の部分は和信ペイントの水性ウッドオイルのライトオーク色を使っています。こちらも塗って布で軽く拭きます。ムラにならず落ち着いた色になります。ステインと異なりウッドオイルは乾かないうちに、重ね塗りしてはいけません。乾かなくなります。必ず重ね塗りするときは乾いてから重ねます。
マホガニの船体の例
帆船模型に良く使われるイメージのある材ですが、意外に帆船模型には使われません。。裂け易く、こての曲げ作業が素直でなく、また旋盤加工には、向きません。。
しかし、好きな方もおられて、仕上がりが独特の艶がありファンも多い。3Mのスポンジやすりで#240、#400、#600、#800、#1000で磨くとピカピカになる。
本来はホンジュラスマホガニー グァテマラ産のセンダン科 比重0.50~0.6をいうが、これは唐木ドットコムで入手できるがちょっと高い。
コーナンで売っているヒノキより安いフィリピン・マホガニーは、レッド・ラワンのことで、フタバガキ科で全くの別物、非常に堅い。こちらは、上手に加工すれば綺麗に仕上がります。
チークやマホガニーと共に世界三大銘木の一つです。
カステロは、白っぽい~黄色に色合いに違いがあるので注意。
シャム黄楊や薩摩黄楊は高いですが唐木ドットコム入手できます。
梨の木です。海外ではフルーツ・ウッドといって、林檎、桜、梨の木が構造模型でも良く使われるようですが、日本で林檎は聞きません。梨:ペアーウッドは唐木ドットコムで入手可能で、仕上がりも綺麗で加工性も良く、よく曲がりますのでお得な材だと思います。
構造模型に使います。海外でも使われています。樺桜も使います。大変固いのですが、フレームなどエッジがたって、しかも曲げの時に無理を聞いてくれるので大変重宝する材です。安いのも有難いことで、東急ハンズではがき大が150円で売っています。サイコロ型のものが50円で売っており、グレーチング加工に重宝します。
生地仕上げ時の色材が必要になります。黒、朱色、黄色、緑色を紹介します。
黒檀
手すり、船主の格子、ヤード、トップ、ウエル、デッドアイ(三目滑車)などは黒ですが、これを黒檀で作ると大変高級感のあるものができます。、非常に堅く、脆く、曲がりにくい癖のある材木です。
丸鋸で切っていると微粉末が飛散し煙もあがるので大変ですが、それでも使うだけの価値があります。
仏壇や箸に使いますので、入手は容易で、東急ハンズでも黒檀は売っています(チョット高いですが)
馬場木材では本黒檀が、唐木ドットコムではカメルーンエボニーが簡単に入手できます。
ただ、黒檀は本来は縞模様のあるのが高級だそうですが、帆船模型では真っ黒なものがよいので注意して選びます。ワトコオイルで仕上げると、多少の縞は目立たない黒になるようです。
帆船模型では縞模様のものは使いません。茶色のものは使えます。
丸鋸で煙がでることもあります。切削粉は粉末が眼に入って結膜炎になりましたが、医者への説明が大変です。「若いのに仏壇を自作されるのですか?」と言われてしまいます。
艶が非常に美しく、微細加工もでき、デッドアイにも向きますし、私はこれで直径1.5mmのデッドアイや0.5mmピッチのグレーチングを作っています。
黒檀は基本的に曲がりません。1mm程度の薄くして、必ず型を作ってコテ作業も一回限りで決めます。他の材と異なり、二回あてるとアッサリ折れます。
インド黒檀 インド産 カキノキ科 0.80~1.20
カメルーンエボニー カメルーン・ナイジェリア産 カキノキ科 1.00
グラナディロ メキシコ産 マメ科 0.79
アフリカンブラックウッド タンザニア・モザンビーク産 マメ科 1.22
砲架やブルワークの内側は朱色(流血時に血が目立たなく様にと言われています)です。またオランダ船のフィギュアヘッドは「赤ライオン」です。
朱色の材は結構いろいろあるのですが、
サティーネが有名です。東急ハンズでも売っています。私はパープルハートの赤味のものを使っています。
これも東急ハンズでよく端材を売っています。
結構曲がりますし、スライスしても裂けません。
サティーネ ブラジル産 クワ科 0.90~1.05
パープルハート ブラジル産. マメ科 0.80~1.00
リグナバイタかパロサントです。
リグナバイタは非常に油が多く固いです。用途の一つがスクリューの軸受であることもうなずけます。緑色は均一できれいですが、高価です。馬場銘木でも唐木ドットコムでも入手できます。
私は、パロサントを使っています。こちらは安いですが注意があります。
この材は購入時は黄褐色です。緑ではありません。製材するときの切りくずは緑色に変化します。
製材し厚さ等成形や表面のサンディングが全て終わってから板を日光浴をさせると緑色に変化します。
ワトコを塗ると日陰でもそんなには変色しません。
コテなどで熱を加えるといっぺんに緑色が黄褐色に変わりますので注意がいります。緑色はリグナバイタの方が綺麗です。
パロサント パラグアイ産 ハマビシ科 0.99~1.10
リグナムバイタ メキシコ産 ハマビシ科 1.20~1.30
黄色
ペロバローサ ブラジル産 キョウチクトウ科 0.72~0.80
塗ったような黄色で、甲板艤装(ウインドラス、キャプスタン、ピンレール)などに使っています。使っている方は殆どいませんが、大変特徴的な色合い、加工性も良く価格もエボニー程度で気に入っています。唐木ドットコムで入手できます。
○甲板材のデガメ(レモンウッド)
○キットに良く入っているバスウッド
○彫刻によさそうなイチイ、ホウ
○意外に使わないラミン棒
○まず使わないいチーク材
油分が多く接着が難儀で、また色合いも時間がたたなければ地味であまり使いません。
○絶対に使わないオーク材
和名では樫ではなく楢ですが木目が荒いので模型では使いません。
豊岡会員のスペインのインディアス艦隊のゲレオン船用の鍛鉄砲です。
鍛鉄法の砲架は通常のものと異なり、大きな2輪です。見事に黄楊を細く加工して再現しています。また鋳鉄砲と異なり鍛鉄砲は6枚、8枚の鉄板を熱してたたいてくっつけているだけですから、補強用の輪が沢山つきますが、旋盤加工で見事に真鍮棒から削り出しています
経験者でないと語れない苦労話やマストのてっぺんはさぞ怖かったろうと御質問すると、てっぺんは見晴らしがよく大変気持ちよかったと語られ、やはり傍で見ているのと実際に経験するのでは雲泥の差があると感心することばかりでした。