チャンと段取りして進めているハズですが、実際に作業をすると想定とは異なるミスをし、手戻り・修正の連続です。
構造模型の場合、40個以上のフレーム(肋材)を作る必要がありますので、構造模型用の設計図があると便利です。
バウンティー号はコンウェイ出版のアナトミーシリーズがあり、本に1/96の構造図面がありますが、これから実際に構造模型を作成するにはCADで手を加える必要があり手間です。
ハロルド・ハンの方式はキール+上端2箇所に基準を設けますので、各フレームの向きや位置がズレたりグラついたりしません。
この方式の欠点は、フレームの上端を基準線まで延ばすため材が無駄になることです。
今回のような1/96の小スケールでは気にする程でもなく、私はこの方式が便利だと思います。
ディスクサンダーは構造模型では必須です。私はブロクソンの旋盤に自作のディスクにサンドペーパーを張り付けて使っています。
材の歩留まりは図面に各フレーム部品を如何に隙間なく且つ糸のこの道を残すかにかかっています。これでも、3割は無駄になります。材は今回はホームセンターで入手しやすいアガジス材を使いましたが、これは失敗でした。やわらかくエッジが立たないのと、ワトコ仕上げが綺麗にできません。特にこの小スケール・モデルでは致命的で、ただでさえ見栄えがしないのに、アガジズ材を生地仕上げしたのは失敗で、やはり桜かペアウッド(梨)材にすべきでした。
桜は東急ハンズでハガキ大で5mm厚のものが100~200円で売っています。私は馬場銘木さんから樺桜を購入しました。ペアウッドは㈱ダイキン:唐木ドットコムで購入しています。
本物の構造模型は、柘植、ペアーウッド(梨)、アップル(林檎)が使われていました。アップル材は意外な気がしますが、海外ではフルーツ材を使うのは一般的でアップル、ナシ、チェリーと堅い木の代名詞のようです。
この時代の英国船のフレームはダブルフレームといって前後で1セットです。フレームは小片で組みます。フロアー、1stフトック、トップティンバーといった5個組の部品で構成されますので、前後で継ぎ目を補完するように千鳥に組んでいます。従って片方は4個組になります。
このフレーム小片の継ぎ目がひとつの見せ場ですので、フレーム平面図にダイアゴナルを引いて、フレームの継ぎ目が横から見て綺麗にならぶようにします。
継ぎ目に少しでも隙間があると接着できませんから、ディスクサンダーで図面を見ながら正確な角度をつ
けます。ディスクサンダーはプロクソンからもでています。私は旋盤に自作のディスクを付けて作業しています。ディスクサンダーは構造模型必須の道具で大変重宝します。
糸鋸で大まかに切り出しました。
上級者はここで各部材の前後の違いまで記入した正確な図面を使いベベルまで含め内側を図面どおりに切り出し、外側を1mm程度残します。
初心者では自身がないので大分残して切り出していいますが、これは失敗です。
後からも述べますが、どうしてもフレームの凸凹が発生し特に凹んだ部分は継ぎ足すこととなります。上級者では有り得ないことなのですが、初心者では、ラインに沿ってゴリゴリ削ると、フレームが紙みたいに薄く
なるといったことが起こります。
組んだフレーム正確に平面すきまないことが重要で、歪んだりしないように細心の注意を払います。
ジグを組み立てます。ハロルド・ハンの方式の肝で、このくし型が重要です。
この凹凸とキール部のフレームの位置図が1mmの狂いもなくピッタリ合っていることが必須です。
今回はキールに保護具を付けていませんが、失敗でした。作成中にキールが歪んでしまいました。キール補強材として、丈夫なコの字型アルミフレーム、材を入れたものとキールをホワイトボンドで仮付けし、(後で濡らしてとる)丈夫な支え台を前後に用意しこれとキール保護具で堅固なものにすべきでした。
フレームは船首側、船尾側、両方から組んでいきました。
クイック・クランプでしっかりと固定します。
キールとフレームのフロア部、冶具とフレーム先端両側を木工ボンドをつけ、しっかりクイック・クランプで固定してきます。
このやり方は失敗です。キールが曲がってしまいました。キールを太い木材に仮付けし固定すべきでした。
船首と船尾からフレームをつけていくと、段々窮屈になってきます。
こうなるともうクイック・クランプの入る隙間がありません。