CG造船模様 バウンティ号№2

CG bounty Vol2 02シリーズの2回目です。
第1回目が2月7日ですから久々の投稿です。
CGで帆船の造船模様を再現し一緒に勉強しましょう!
キール(竜骨)を船台に据えたら次の作業はステム(船首材)の立ち上げ作業です。
さぁ CGでステム(船取材)の組み立て作業を見てみましょう。

CG bounty Vol2 06ステム(船首材)の組み立て
ステム(船取材)は右から

カットウォーターcutwater、

ステムstem、

エプロンapron

の3つから構成されます。
このうち、カットウCG bounty Vol2 05ォーターcutwaterは外板を張るときに組み付けますので、今回、作業はありません。

 

カットウォーターはギャモニングgamoning、レーシングlacing、グリップgripeとチョークchorckから構成されます。
ステムstem、エプロンapronは、地面で組み立てます。
ステムは3部構成です(アッパー、ミドル、ロワー)
エプロンも3部構成です(アッパー、ミドル、ロワー)
これらは、大変長いボルトでクレンチされます
ここまで出来れば、キールのところへ運びます。

  • CG bounty Vol2 04ステム(船首材)のセッティング

二輪車で船台の所定の位置まで移動させます。

これを合掌式のクレーン:sheer-legで持ち上げます。

 

CG bounty Vol2 072組の大きな滑車で持ち上げると同時に、2組の小さな滑車がステムの上端と船台にたっている丸太柱をつなぎ、

 

 

CG bounty Vol2 08 更に2組の小さな滑車が、ステムの下端と船台をつなぎます。

ステムを持ち上げている最中にステムが前後に暴れることを防ぎます。

 

CG bounty Vol2 09 位置合わせが大変難しい大変複雑な作業です。

事故も多かったようです。

 

 

CG bounty Vol2 11このロープワークには、ロープを巻き上げるクラブと呼ばれる移動式のキャプスタン(巻上機)を使いました。

 

 

CG bounty Vol2 10 文字通りどこへでも移動でき、据え付けて用いたようです。

 

 


CG bounty Vol2 14 しかし、この方法はどう考えても合理的ではありません。
現代的に考えるとクレーンで持ち上げて、キールとの接合をロープでひっぱって合わせた方が、よほど安定するし、作業効率良いように思えます。
CG bounty Vol2 13で、この時代にクレーンはなかったのかというと、実はありました。
このクレーンがちょっと見ものです。

トレッド・ホイール・クレーンTreadwheel-Crane とよばれる人力クレーンです。
建設現場で石を持ち上げるのに古くから使われ、港では船から原木を持ち上げるのに活用されましたが、なぜかステムの立ち上げには使われていません。
CG bounty Vol2 12二つの大きなホイールを使って、ロープを巻き上げて荷物を持ち上げますが、このホイールは水車でありません。
トレッド=踏む ホイール=和 名前のとおり
ハムスターやモルモットの回し車のように、おおよそ直径4mのホイールの中に1人が入って歩いてホイールを回すというものです。

この図では造船所でよく使われたもので、2列あり、2人で動かします。
小型船に積載されるウインドラスが手で回すのに対して人が入CG bounty Vol2 01って歩くとはるかに効率が良いということのようです
輪軸の原理で16倍の荷物を持ち上げられたようです。
おおよそ2~3tは持ち上げられたようです。
CG bounty Vol2 02驚くことに、ウインドラスにあるラチェット(逆転防止装置)やブレーキがありません。中で転ぶと大変なことになりそうですが、ホイールから落ちない限りクレーンが動くことはなかったようです。
実際にはこれに屋根が付きます。小屋からクレーンが突き出た、そんな外観だったようです。

CG bounty Vol2 03●ステムの固定
ステムが持ち上がったら、何本ものショアー:支柱を使って固定します。
それから大変長い直系1.125インチ(29mm)のボルト8本で固定していきます。
これでステムの立ち上げは完了です。
次は、スターン(船尾材)の立ち上げです!!
どうぞお楽しみに(^o^)/