今回は、上甲板(アッパーデッキ)、ポンプ、舵 ピントルとガジョン、側窓の製作を紹介していきます。
最初に上甲板(アッパーデッキ)の作成です。
ビームのカンバー(反り具合)は若干ことなりますので、注意深く削ります。
カーリング、レッジのホゾ切りには、このような治具を作って正確な間隔でホゾ切りができるようにしました。
正確にホゾ切りし、カーリングが一直線になるように加工します。
今度はメインデッキとことなり良く見えますから、歪まないように正確に図面とあわせながら作業をします。
英国艦の特徴の水平のニー材(ロッジング・ニー)を綺麗にはります。
ます中央にくる黒檀を張ります。
貼る前に、下地=各フレーム材が綺麗なカーブをなしているか十分に確認し、必要があれば補正します。
板材が薄いので、この下地作業は大変重要です。
なんども曲線定規をあてて確認します。
今回は柘植の代用材のカステロを使っています。
0.5mm厚に加工しています。
この材は、非常に加工がし易く、簡単に曲がります。
ウエルの作業をします。
黒檀は曲がりにくいので、薄い板を積層しています。
○排水ポンプの作成
これもペロパローザ材に真鍮帯板を巻いています。
帯板は黒染めしています。
この当時の船にとってポンプは大変重要な装置でした。
常に漏水するためポンプがなければ沈没します。
この船は小さいので普通のポンプがだけが、付きますが、このポンプは原理上10m弱しか汲み上げられません。
船底から甲板まで10m以上ある場合は、チェーンポンプを備えることとなります。
汲み取り口は、バケツとの大きさをイメージします。
船尾の作業では、この船は小さくギャレーはありませんが、代わりに側窓が付きます。
まず最初に船体に穴を明けます。
次に側窓を作ります。
図面を何度も修正して、しっかりした寸法で部材を作ることがコツです
なんども確認した後に、黒檀とペロパローサ材で組み立てていきます。
完成がこんな感じです。
この窓周りに装飾がつきます。
装飾は、端材に薄いカステロ材を軽く張り付け、削っていきます。
形になったら、水を少しつけて、端材から離します。
舵の作成
まず、ピントルとガジョンを真鍮板、真鍮パイプ、真鍮棒から作成します。
結果的に失敗するのですが、今回はビントルは真鍮板(0.1mm厚)と真鍮棒、直径0.5mm ガジョンは真鍮板と真鍮パイプ(外径1mm内径0.6mm)を銀ロウ付けしました。
スムーズにラダーを動かすにはピントルも真鍮板に真鍮棒を直付けするのではなく、真鍮パイプをロウ付けし、その穴に真鍮棒を入れるべきでした。
真鍮板と真鍮パイプの銀ロウ付けはいろんな方法がありましが、私は真鍮パイプに直径0.5mmkピアノ線(比熱が異なりくっつかない)をいれて
真鍮板と直角になるように固定し、接着部分意外はブロックで隠してバーナーで加熱しています。
銀ロウ付けは半田や瞬間接着材とは比較にならないほど強力に付きます。
銀ロウは少しでいいです。(高価ですし・・・)
バーナーの当て方は経験が必要です。
ゆっくり加熱し、銀が流れるのが見えれば、即バーナーを止めます。
最初は、銀が流れる状況は、中々見えません。慣れてくるとハッキリと見えます。
真鍮板を溶かして団子にしてしまったり、加熱不足でつかなかったりします。
○部材をサンポールなどで、しっかり酸洗いすること。
○接着する部材同士はしっかり密着していること。
○加熱は、周りから徐々に銀を置いた部分にゆっくり加熱すること
○銀が流れたら直ぐにバーナーを止めること
○しっかり酸洗いしフラックスを落とし、その後水洗し、残った酸を洗い流します。
その後、黒染めします。
ガジョンとピントルの合わせはコツがいります。
最初にガジョンを一つ船体に瞬間接着剤で付けます。
その後、ガジョンの穴にピアノ線を通して全てのガジョンを一直線にならべ、順次船体に瞬間接着剤でつけます。
ガジョンにあわせて、ピントルの位置を決めていきます。
この船では舵が取り外せますが、そのため凹部の切込みが長くなっています。
取り外しをしなければ、凹部は短くできます。
今回は失敗しましたが上手に加工すると舵は自由に抵抗無く動くくらい精度の高いガジョン・ピントルがセットできます。
次作のオランダのフルート船では、舵輪ではなくウイップ・スタッフですが、軽く柄を動かすと舵もしっかり動きます。
今回はココまでです。(^_^)
次回は、船首のレール作業とフィギュアヘッド、船尾の装飾です。お楽しみに